【B級映画紹介】ゆるいサメ映画「シャーク・クルーズ」
スリラー映画なのか?
製作:2022
上映時間:85分
監督:ジェイドン・カル・フィッツパトリック
【感想】
ふざけてない方のサメ映画。
動かなくなってしまった船を舞台に、空腹でイラついてる複数体のサメの襲撃から生き延びるシチュエーションスリラーものとなっています。
(以下ネタバレ注意)
ノンストレス
本作の最大の特徴は、登場人物に不快なキャラクターがいない点。
サメ映画には普通、嫌味を言うだけで役に立たない無能や、保身のために仲間を裏切るクズなどが一人以上は存在するのですが本作ではそういったヘイト役が全くおらずみんな良い子でした。
だから普通に誰にも退場してほしくはなかったし、そういう意味では襲い掛かってくるサメの恐怖は演出されていましたね。
なんだか平和
しかし、みんな良い子すぎるというのもちょっと問題で、サメが出現するシーン以外はなんだかほのぼのしてしまっています。
人間同士の衝突がないので、サメの出現シーン以外はスリラー映画にしては緊迫感を感じません。基本的に登場人物達は身の上話をしたり励まし合ったり怪我の治療をしたり、主人公が父に電話したりするぐらい。
他のサメ映画では、ギスギスした人間ドラマが生えてくると大抵邪魔だなあと思ってしまいますが、あれらも多少は緊張感やカタルシスに貢献していたのだと本作で気づかされました。
あっさり死ぬ人間とサメ
サメのCGに関しては平均的なB級クオリティといった感じです。
襲撃パターンは
・サメが船体に激突し、海に落ちてきた人がバクバク食われる
・なんやかんやあって自分から海に入った人がバクバク食われる
の二種類ですが、絵面的には全く変わらないため実質一種類です。
中盤の主人公が噛まれるシーンはサメがよく見えて比較的迫力がありましたが、基本的にワンパターンなので見せ場という見せ場はないです。
パッケージのようにサメが飛び上がり、そのまま船内に入り込んでくるみたいなシーンが一つでもあれば評価は変わっていたかも…。
そして本作には、果敢にサメを返り討ちにするシーンも何度かあります。
オールでぶっ刺したら死ぬ。
苦戦した様子もなくあっさり倒せるので、「サメ弱っ!」と感じることでしょう。これもまた作品全体のゆるさに拍車をかけています。
まとめ
のんびりしたサメ映画でした。ぶっ飛んだ要素なしの真面目路線、ほのぼのとした空気感、あっさりした襲撃シーンにあっさりした撃退シーンが合わさって、スリラー映画にあるまじきゆるい雰囲気をまとっています。
とはいえ、「スリラー映画なのに緊迫感がない」という独特な作風は少し新鮮でしたし、気になった人は見てみてはいかがでしょうか。
【こんな人におすすめ】
・怖くないサメ映画が見たい
・真面目なサメ映画が見たい
・うざい人物がいないサメ映画が見たい
・クオリティは問わない
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