ほんのちょっとの
コートにベルトがある
それだけでもきゅっと心が引き締まる
ベルトを締めず、ポケットに入れて出かけた時
何度か「ベルトがたれていますよ」と教えてもらったことがある
見ず知らずのわたしに声をかけてくれる親切な方の存在への驚きのあと
「あっ」と思った時はすでに遅く
しばらく引きずっていたのだろう
先が黒く汚れてしまっていた
その度に少しだけ気持ちのバロメーターが下がる
お気に入りのコートなのに・・・
それからは、何度もポケットを確認するようになって
その度ちょっぴり煩わしさを感じた
そんな日々だったけれど、ベルトを外してしまうことはなかった
そのコートは、ベルトがあることで完成されると思っていたからだ
ないと物足りない
程よい不自由さは、おしゃれには必要不可欠なのだと感じる
スパイスカレーのように
食べる人を虜にしてしまう要素にも似ている
辛いとわかっているのに食べることをやめられない
人生からスパイスがなくなってしまうと、なんだか味気ないのだ
「トレンチエッグ」(soutiencollar)
「トスカーナ」(soutiencollar)
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