おめでとう。と、ありがとう。
誕生日を迎えてしまった。
私は通常でも祝われる事は好きではない。
それは、幼い頃から祝われる習慣が無かったからだと思う。
ただ子供が出来た事で、子供の誕生日に関しては【産まれてきてくれてありがとう】という気持ちを表現する為の日。として、その時出来る限り盛大にお祝いしていた。
しかし、子供が大きくなればそこまでやる必要もなく、欲しいという物を買って、美味しい物とケーキを用意する位になった。
それでも、親の私としては同じ気持ちだ。
ずっと精一杯の事はしてきたつもり。
私は物欲も無いし、日々変わらない事の方が大切だった。
ただ今年は、誕生日をどういう状態で迎えられるか…すら予想出来なかった。
真っ暗なトンネルの中にしばらくいたからだ。
先月位から、薄明かりが灯って進む方向は分かってきたし、今も時々立ち止まりながらだけど、前を向いている。だからなのか、少し出口が見えてきた気もしている。
私の誕生日祝いという事にして、旦那と息子が好きな、ちょっと値段が高い回転寿司に行った。
旦那はあまり飲まないお酒を飲みながら、息子は一貫寿司で、食べたい寿司を次から次へと頼む。
私もあれこれ気の向くままに、お寿司と会話を楽しんだ。
心の中には娘が居るけれど、3人での生活も慣れてきてしまってる自分もいる。
多分、外に出たがらなかった娘が居たらこの楽しい時間はない。
けれど、私はあえてちゃんと楽しいと思う様にしている。
これは、娘が残してくれた世界だからだ。
「ママ。お誕生日おめでとう。」
「ありがとう。これから大変だよ。更年期とか体の曲がり角らしいよ。でも見てて!頑張るからさ。来年は庭にたくさんの花を咲かせたいって思ってるんだよ。」
これからやれる事、やりたい事。そういう事りたくさん考えていこう。
後ろを振り返る事は徐々にやめて、見守ってもらっていると思いながら、「ありがとう。」を伝えていこう。
誕生日。
そういう日だからこそ、何かを変えるキッカケの日にしてもいいのかと思った。