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答えを探す苦しさ
まだ温かい娘のお骨を抱き締めてながら、帰路に付いた。
途中で雨が降ってきて、海沿いの道に出ると目の前に虹の根本があって、そこから遥か遠くに伸びていった。
私達に少しの希望を見せる為に、娘が掛けてくれたのかもしれないと思った。
家に帰ってきてしばらくして、お盆休み期間になった。旦那はある程度長期連休になって、私も薬で何とか動ける状態の中、娘の死と本当の意味で向き合い始めた。
夫婦仲は決して良く無かったが、取り乱す旦那は自分がちゃんと向き合う努力をしなかったからだ、と言い、謝罪した。それまでの彼は自分が悪くても決して謝らない人だった。娘がこうならないと分からない自分はバカだと泣くのだった。
それは私も同じで、ただ認めてほしく色々頑張っていた事が、何も伝わって無かったと気付いたのだ。
だとしたら、それが原因なのか?という話になるのだが、夫婦仲を案じていた事は事実かもしれないけれど、そう簡単な事ではないだろう?これまで、娘がどういう生活をしてきて、どんな考えを抱いて、通信の高校に通っていたが、どんな事を考えていたのか。
一番近くにいた私でさえ、娘が話をしてくれていた事が全てでは無かったのだと愕然としたのだ。
原因探し。
それは、酷く辛い作業。
何も残さなかったし、スマホのパスワードも変えていた。
ある程度の予測と今までの性格的な部分、最近の生活や態度から、おおよその推理はできたが、それ以上は娘の粗を探す作業になってしまう事にきづいた時、これは娘が望んでいないのでは?と話がいきついた。
納得出来ないけれど、答えは出ない。
娘が自分で決めてした行動を認めて、許してあげなければ、私達も苦しむ事になる。そう答えを出し、娘がいつか迎えに来てくれるまで二人で生きようと一度答えを出した。
しかし、この問は何度となく降り掛かってくるのだ。ぐるぐるとまた回り出して、眠れぬ夜を過ごす。
時間が解決する?本当にそうなのか…。
考える頻度は次第に減っていくが、まだぐるぐるに飲み込まれそうになる。