見出し画像

米屋の米と米糠

中古の家を買ったのは数年前。

庭は、恐らく売れやすくする為か、木は根元から切られていて、雑草が生えない様にシートが引いてあった。

田舎ではあるが、山を切り開き、整地されて区画整理された一角。

庭とはいえ、想像するよりも広いものではないと思う。

大きな金木犀だけはそのままだった。

私にとって庭は、【厄介なもの】という認識。

育った家は畑や田んぼに囲まれていて、色々な木々を張り切って植えたはいいが、手入れされる事が少なくなっていき、小さな森状態。

嫁いだ先も、植えるのは、好き。手入れはするけど、こだわりがあって私は手を出せなかった。

…かと言って、綺麗な訳じゃない所がもどかしい。

もう、何かを植えるなら責任もちなさいよ!

という気持ちが私の中に燻る。

だから、自分の庭は【何も無い事が美しい!】と思っていた。

庭の根を全部取り払い、土を平らにした。

垣根はフェンスにするお金も無かったので、少し短く整えて、こまめに剪定する事にした。

平らな庭は、生えてくる雑草に除草剤で対抗。

いつも、スッキリ〜。と清々しく思っていた。

ただ、玄関先の一角だけは、季節の花を植えて、そこだけで満足していた。

そんな日々だったが、毎年の様に野菜が高い!って事があって、少しは育ててみたいという欲もあった。

プランターを買ってきて、トマト、ピーマン、ブロッコリー、バジル、パセリ。
毎年、少しだけ。色々と植えてみては、枯らしたり、去年は虫に美味しく食べられてしまった…。

私は向いてない!そう思っていたけれど、じゃがいもだけは裏切らなかった。

コロッケパーティーが出来る程、たわわに実った。

そんな私が、ガーデンニングをしようと思ったのは、叔母が去年くれたクリスマスローズが始まり。

そして、上手くいかない事を嘆いて、やらないと思っていたけれど、失敗しても良いからやってみようと思った。

娘が残した、ボケの盆栽もその理由の1つ。

悲しみの中、水やりが足りなかったのか、枯れかけていた。

その姿を見て、地植えにして大きくしてやろう。と思ったのだ。

そして、今年に入ってから、色々調べたりして、まずは何でも植えてみよう!という無謀な作戦。

その中で、我が家の粘土質な土では難しいかもと思い、ホームセンターで腐葉土を買ってきていた。

それはそれで、費用が嵩む。

調べると、米糠と落ち葉を土と混ぜて、腐葉土が出来る!

米糠?コイン精米機に行ったが、簡単には手に入らないと分かり、違う場所に行くより、米屋に行こうと思った。

昔からある米屋。
恐る恐る「米糠って売っていますか?」と聞くと「ありますよ?ガーデニングとかですか?」即答で返答がきた。

「じゃ、イッタイでいいですかね?」

ん?イッタイとは?

「あ、はい!」
私は何も分からず返事をした。

そして出てきたイッタイ。30㌔?かな?
ひえ~重い〜と車に乗せる。

待っている間に、米を見ていたら、スーパーで買うより安いお米達。

粒もしっかりしている事を確認して、即購入。何だかラッキー!

そうか…。こういう時は、地元の専門店に来るべきだったのか。

お米はまだ食べていないから、安いだけの品かもしれない。
でも、あまりにも家計に嬉しい価格。

ガーデニングのお陰で、1つ発見できた。

そして、家に帰って、大きな米糠袋をなんとか庭に運び、穴を掘って腐葉土作りを実践。

数カ月後が楽しみです。
(まだまだ米糠は余っております。)

いいなと思ったら応援しよう!