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昭和の社会人だった自分が思う事
今は無職(自宅家事要員)。精神安定を主な活動としている。
旦那もそうだが、ドラマやnoteで仕事をしている人達に触れると、良く頑張ってるな…。と感心する。
もう、20年以上前。
高校を卒業して、地元ではそこそこ有名な会社に就職した。
本当に無知で笑えるのだが、何をする仕事か良く分からず、教師の勧めだけで入社した。
高校時代、父の仕事がどん底だった。
家のローンが払えず、売りに出していた。
高校1年にして、進学は諦めてアルバイト中心の日々が始まった。
働く事。実は楽しかった。
近所の酒屋でレジ打ちや、商品補充。
年上のお姉さんが、色々教えてくれた。
母親と同じ年齢のおばさま達も、可愛がってくれた。
学校も休む事無く、毎日アルバイトに励み、定期代や、欲しい物は自分のお金で買っていた。
その後、就職試験の勉強でアルバイトは辞めたが、内定を貰って時間が空いた事もあって、ガソリンスタンドでまた働き始めた。
お客さんに「ありがとう」と言われたり、一緒に働く人達も、どこでも温かった。
だから、働く事に抵抗は何もなかった。
就職先は工場勤務。
四角い建物の中にはたくさんの人達。
しかも、女性ばかりの職場。始めての交代勤務。
想像とは違った。
良い先輩達もいるが、敵対グループみたいなものもあった。
女というのはすぐグループを組みたがる。
そして、年功序列で力関係が変わる。
男性は、役職を与えられ、管理する側にいる。
良い先輩達は、結婚して次々と辞めていく。
ふるいに掛けられていく様に、底意地の悪い人が残っていく。
産休や育休は制度はあれど、取ると白い目で見られる時代。
だからこそ、誰でもやれる仕事。居なくなれば次を補充すれば良いという姿勢の企業。
数年後、私のいた場所が海外の工場に移転する事になった。
移動の希望面談の時、結婚する予定で、できれば日勤の仕事をしたいとお願いした。
すると、同じ敷地の健康食品を作る部門に移動が決まった。
そこで、高卒では異例の事務職に決まった。
通常、短大卒でないと貰えないポジションだった。
購買業務。
資材の発注や、注文の発送の手配。社内外のやり取りが多く、どう効率良くやるか?考えるのが楽しかった。
ただ部品を見つめる日々から、パソコンに電話対応。
私は動き回ったり、人と接する事が好きなのだと改めて思った。
ただ、上司は全て男性。
朝は早く出て掃除、上司が出社してきたらお茶出し。
それが普通だったから何とも思わなかったが、後に辛いと思うようになる。
数百人いる事業所。
その中で唯一産休を取って復帰した人が、同じ職場にいた。
その人のお陰で、私も妊娠して出産後、産休のみだが取得して復帰できた。
しかし、子供が熱を出して休む。夜はちゃんと眠れないから、朝の出勤がギリギリになる。
「もうちょっと早く出てきてやれないの?」
上司に嫌味を言われた時には、子育てと仕事の両立は難しいと感じた。
できれば定時で帰りたい。
だから、作業の効率化して何とかやっていたが、どうしても帰れない事も増えていった。
「今日までにこの資料まとめておいて。」
定時ギリギリで仕事を振ってくる上司。
体力も落ちていき、気分が落ち込む事が多くなった。
休職でも良かったのかもしれないが、退職の道を選んだのは、うつ状態と診断されたからではなく、仕事が嫌いになってしまったからだった。
私の年代は、ポケベルから始まって、携帯電話、スマホ。ブラウン管テレビから、液晶テレビ。様々な変化と共に生きてきた。
全てについていくのが精一杯だった。
だれもルートを引いていない世界で、どう生きていくのが正解か分からないまま、しがみついているだけ。
だからこそ、しがみついているだけで良かったとも思える。
今はルートがたくさんある。
それなのに、あれはダメ!これはダメ!細い道か、途中で落とし穴が空いているのか…。
ルートはあるのに、トラップがいっぱいあるように見える。
世の中を俯瞰で見ている今の私からすると、今の人達だって必死に頑張っていると思う。
「今の若者は!」というのは、年々継承されていく言葉なのだ。
私達も若者だった時に言われた事。
この悪しき継承が終わらないと、どんなに良い制度が出来ていっても、働く事の本当の改革にはならないと思った。
学生の頃の、何も考えず楽しく出来ていたアルバイト時代。
会社員という息苦しい時代。
その後、色々なパートを経験して、私は人と接する仕事が良いな。と改めて思いながら、求人情報を眺めている。
そして、自分の立場で偉そうな事は言えないが、今の若者は凄いよ!
私達の年代が、ちゃんと時代をインプットして、育ててあげられないから、苦しいと思わせてしまうのかもしれないな。と思う。