![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/166566363/rectangle_large_type_2_4f3722448d84a717660708a2e4e7d9c0.jpeg?width=1200)
牡丹とサザンカ
冬は殺風景な季節かと思えば、我が家の垣根はサザンカなので、今まさに咲きほこっている。
田舎ですが、ちゃんと住宅街がある。
団塊の世代の時代。
有り余る土地を工業団地として切り開き、多数の企業が集まってきた。
また、少し離れた場所には大きな家電メーカーの工場があった。
山を潰して、住宅街が出来た。
区画整理がされ、土地はどんどん売れていき、農業を辞めて実家を出た会社員の家庭が一気に集まってきたのだ。
少し遅れて、その敷地はどんどん広がり、建売として整備されたのが私が住んでいる場所。
数年前、中古住宅として売りにだされた激安物件に飛び付いた。
多数の家の垣根がサザンカなのだ。
街路樹にもサザンカ。
私はずっと牡丹だと思っていたのだが、違いが分からなかった。
調べると、花が終わって丸ごと落ちるのが牡丹で、花弁が1枚1枚落ちていくのかサザンカ。
(間違っていたら訂正して下さい。)
去年は娘とサザンカをデッサンしていた。
花って描くのが難しい。
1つとして同じ花はない。
葉や枝や花弁。どれも違う。
すぐ描かないとその姿も変わっていく。
「もう描きたくない。」娘はボヤいていた。
写真に撮っても、本物の質感がちょっと違う。
散歩をしていると、そんな去年の事を思い出す。
それと同時に、たくましく咲くサザンカの群れに心震える。
【空き家も増えてきたな。】
それでも主人のいない家の垣根に、サザンカの花が顔を出して挨拶してくる。