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クリス・ヴァン・ダム〜ヴァン・ダムの名を継ぐ男〜

こんにちは。ヴァン・ダム推進委員会のキュアナイルです。

皆さんはクリス・ヴァン・ダムという男をご存知でしょうか?
「え?クリス?ジャン=クロード・ヴァン・ダムではなく??」と多くの人が思ったでしょう。
いや、そもそも「ヴァン・ダム……つまりそれは誰?」と思った人の方が多いかもしれません。
熱心なアクション映画ファンの皆さんでしたら太陽が昇る方角を質問されているのに等しいのですが、悲しいかな、このような反応をされた経験は1度や2度ではありません……
この記事はクリス・ヴァン・ダムについての記事なのですが、大前提としてジャン=クロード・ヴァン・ダムについて知っておかなければ全く理解が出来ないことでしょう。
そういう方にもこの記事を読んでいただければと思い、まずは簡単にジャン=クロード・ヴァン・ダムの紹介を……。


ジャン=クロード・ヴァン・ダムとは……?

本名ジャン=クロード・カミーユ・フランソワ・ヴァン・ヴァレンバーグ。1960年生まれのベルギーを代表するアクションスター。
バレエや空手をバックボーンに、華麗なる回し蹴りや180度開脚、美尻でファンの心を掴む。
「ブラッド・スポーツ」「キックボクサー」「ユニバーサル・ソルジャー」「ハード・ターゲット」「サドン・デス」などといった作品が有名で、若かりし頃の“ヴァンダミングアクション”を思う存分堪能できる。
ただ、2000年代になると徐々にヒット作に恵まれなくなりビデオスルー作品を連発するように……。
その自分のキャリアを皮肉ったメタフィクション「その男ヴァン・ダム」ではヴァン・ダムが自分自身を演じ、その切実な現状と心の闇を吐露するシーンには思わず涙をしてしまう。
そして、アクションスター奇跡の大集結映画「エクスペンダブルズ2」でスタローン率いるスター軍団エクスペンダブルズに敵対する組織のボスとしてヴァン・ダムが登場。その華麗な回し蹴りにハートを射抜かれた方も多いはず。
そしてその後もビデオスルー作品が多いながらも、演技の幅を広げ悪役も多くこなすようになり、「ザ・バウンサー」や「ネバー・ダイ決意の弾丸」といったような紆余曲折あったベテラン俳優ならではの境地にたどり着いた作品にも出演。

そして今年の2024年12月には最新作「ファイナル・ブラッド2(配信のみ)」「ダークネスマン(DVDのみ)」がレンタル開始!
今もなお活躍し、我々ヴァン・ダム推進委員会の心を掴む男なのです。

新作のレンタルも開始されたので、私もヴァン・ダムを援護射撃するべく、先日、「ネット史上、最も意識の低い映画サイト」で御馴染みのビーパワーハードボイルドの狂犬映画ライター"DIE"suke氏とXのスペース機能でヴァンダム会議をやらせていただきました。


ヴァン・ダムについて話せる数少ない機会。通勤通学のお供に(倍速再生でもいいよ!)。

このヴァン・ダム会議でも度々触れているのがクリス・ヴァン・ダムという男。
この放送を最後まで聴いてくれた方はもうお気づきかと思いますが、クリスとはズバりジャン=クロード・ヴァン・ダムの実の息子さんなのです。
度々父JCVDと共演するKVD。しかし、彼について語られる事は決して多くなく、数ある映画レビューでも彼について詳しく語られる場面は少ないと思います。

と、前振りが物凄く長くなりましたが、ここからクリス・ヴァン・ダムに付いて綴ろうと思います。


父親のTシャツのモデルをするクリス。
皆さんが彼の立場だとしたらどういう心境になるだろうか。

クリス・ヴァン・ダム(Kris Van Damme)とは……?

本名クリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグ(Kristopher Van Varenberg)
1987年5月20日 ジャン=クロード・ヴァン・ダムとボディビルダーのグラディス・ポルトギーズとの間に生まれる。
父親の仕事の関係でベルギーとロサンゼルスで幼少期を過ごし、その後も父の映画の撮影に応じて香港、バンクーバー、ドイツ、スペイン、スイスなどなど世界各地に移住。
5歳から松濤館空手を始め、その後もテコンドー、バレエ、タップダンス、水球、陸上1200mトラックなど数々のスポーツ、舞踊、格闘技に精通(ただ、闘うことはそんなに好きではないらしい)。
自らを「超オタク」だと称しており、ニンテンドー系のキャラクターTシャツを着てる写真が良く見つかる。ポケモンだとタケシとイワークが好き。
バンクーバーでアニメーション制作について学んでいる。アニメーションの作成もする(らしい)。
趣味はバイク。
アゼルバイジャン出身のスアダさんとインスタグラムを通じて知り合い4年に渡る交際の末に結婚。
そんな息子クリスなのですが、彼は父親であるジャン=クロード・ヴァン・ダムが出演する映画に非常によく出演しています。というか、それでしか見かけません。
熱心なヴァン・ダムファンでしたら、彼が出てきただけで「お!今日も頑張ってるね長男坊!」っと近所の子供や親戚の子供が頑張っているのを見て応援したくなる気持ちになる事でしょう。
しかし、多くの人がクリスの存在に気づく事なく、素通りしてしまうと思います。
それではヴァン・ダム映画の真の味わい深さを理解したとはいえないので、非常に勿体ない……。
そんな人をこれ以上増やすべきではないと思い、ここにクリス・ヴァン・ダムことクリストファー・ヴァン・ヴァレンバーグの出演作について書き連ねていきます。

妻のスアダさんと。因みにクリスは自身がヴァン・ダムの息子だということは隠していたが、スアダさんはあまりアクション映画をみないので、そもそもヴァン・ダムを知らなかったらしい。

ユニバーサル・ソルジャー

子供時代のリュック・デュブローを演じるクリス

記念すべきスクリーンデビューは父の代表作である1992年公開のユニバーサル・ソルジャーです。
ここではノンクレジットながら、JCVDの幼少期のシーンとして登場。
この犬とは結構仲良くなったのだとか。

クエスト

2作目はヴァン・ダム監督作品1996年公開のクエスト
ここでも、JCVDの子供時代の映像で登場。
クレジットにはクリストファー・ヴァンヴァレンバーグと本名で記載。

クエストのプロモーションで象に乗る親子

ディレイルド 暴走超特急




3作目は2002年公開、ヴァン・ダム版無限列車編ことディレイルド。
ここはなんと主演のヴァン・ダムの息子役に抜擢。
オーディションを受けて合格が出てこの役を掴んだと紹介されていますが、本人のインタビューを聞く感じだと、監督に「演技できるか?」と言われてやったらいい感じだったので、そのまま出演させたといったような。父を受け継ぐ回し蹴りも披露。このまま天才子役になるか?と思われるも、暫くは映画出演はせずにいた模様。
あと、余談ですが、この作品のジャケ写って複数存在するのですが、ヴァン・ダムの表情がかなり違って、その落差がちょっと面白いです。

キメ顔ver
虚を突かれたver

ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション

2009年に公開されたユニソルシリーズの続編に新世代ユニソルを作る博士の助手のマイルス役として久々に映画に登場。
ドルフ・ラングレン演じるアンドリュー・スコットの復活に着手しますが、スコットが暴走したため、殺害されてしまいます。
このあたりから、結構雑に死ぬ役もやり始めます。

FULL LOVE(またはThe Eagle Path、もしくはFRENCHY)


この作品は2010年に作られるも、配給会社が現れず、お蔵入りになっている幻のヴァン・ダム作品。タイトルも3通り存在しており、結局どのタイトルとしても世に出回っていない。
一応この作品にも登場しているらしいのですが、本編映像が出回っていないため役どころも不明。
謎に満ちた作品の一つです。

アサシンゲーム

2011年公開のヴァン・ダムとスコット・アドキンスW主演によるアクション作品。
アドキンス演ずる主人公と敵対する汚職警官役。
ヴァン・ダムに憧れ、俳優になり後に次世代のヴァン・ダムと呼ばれることになるスコット・アドキンスとクリスの直接対決があるのが見どころ。
ヴァン・ダムに憧れた男とヴァン・ダムの息子。どちらがその後継者に相応しいのか!?
そういう視点で観てみるとこの作品がより楽しめると思います。

車椅子に乗るビアンカを面倒見るアドキンス

因みに植物状態に陥ってしまったアドキンスの奥さん役は、妹のビアンカ・ヴァン・ヴァレンヴァーグ(ビアンカ・ブリー、またの名をビアンカ・ヴァン・ダム)が演じています。

ドラゴンアイズ

2012年公開作。
JCVDは主演ではなく、主人公の師匠役。
そして、クリスはその主人公と敵対する汚職警官の部下役。(また汚職警官かよ)。
主人公を殺し損ねたことに怒った街を牛耳るロボ・コップ(ピーター・ウェラー)に殺される。

THE PHILLY KID


2012年公開作品。
総合格闘技を題材にした映画ですが、この作品はなんと父ジャン=クロードが関わっていない作品!
遂に父親のコネクション以外での映画出演を果たしますが、残念ながら日本公開はされておらず、ソフトも海外から取り寄せるしかない模様。

一応登場シーンがYouTubeに切り取られており、恐らく主人公の友人役。
マイケル・ジェイ・ホワイトも出るらしいです。(なんでホワイト兄貴の作品って日本未公開の作品ばかりなんだろう……。)

ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録

2012年公開のユニソルシリーズ最終章。
前作リジェネレーションでドルフ・ラングレンに殺害されましたが、今作も博士の助手のマイルズ役で出演。
博士はリジェネレーションとは別人になっていますが、何故かクリスだけは同じ役名での登場という謎。
父親の映画で双子とかクローンとかの設定が多いですが、遂に息子にもその伝統芸を譲ったということか??
スコット・アドキンス演じる主人公ジョンの脳を弄りますが逆に覚醒させてしまいユニソル軍団が壊滅することに。
因みにアドキンスもクローンという設定でこの作品で一人二役を演じており、JCVDの後を継ぐのはどちらなのかという争いが勃発したということでしょうか??

ハード・ソルジャー 炎の奪還

2012年公開(この年の作品多いな)。ヴァン・ダム版イコライザーともいえる作品。
この作品ではクリスが父ジャン=クロード演じる主人公の息子役というディレイルド以来の親子共闘作品!
なかなかの良作です。
ここでも妹ビアンカも出てきます。

サバイバル・ソルジャー

2013年公開の「蠅の王」のパロディともいえるコメディ作品。
ここではアサシンゲーム以来となる妹ビアンカと共に主人公と共に無人島で社員研修を受ける会社員役で登場。
因みにビアンカは父との共演作は2024年現在だとこれが最後の作品となっております。

マキシマム・ソルジャー

2013年の作品。
ヴァン・ダム率いるサイコ環境テロリスト部隊の一員として登場。
この作品はヴァン・ダムが悪役として登場し、クリスも悪役という親子でヴィランという初のタイプ。
主人公チームに捕まり尋問されます。

ファイナル・ブラッド

2017年公開。
この作品で遂に役者名をクリストファー・ヴァンヴァレンバーグからクリス・ヴァンダムに変更し、ヴァン・ダムの名前を手にします。
そのことからもかなりの気合が見受けられますが、主人公である父親との対決で敗れあっさり死亡。
身体能力の高さは垣間見られるものの、如何せん撮り方が下手でちょっと残念な出来に……。
ドルフ・ラングレン、スコット・アドキンス、そしてJCVDに殺された経験のある数少ない俳優です。
2作目では弟ニコラスが活躍!

スティール・サンダー

2018年
ヴァン・ダムとドルフ・ラングレンのユニバーサル・ソルジャーのコンビが共演ということで一部界隈で話題になった作品。
潜水艦の中で繰り広げられる闘いに登場。
やはり主人公の父親にはかなわず……。

ダークネスマン

2024年
ヴァン・ダムの渋い演技が観れる良作ですが、クリスはなんと6年ぶりに映画に登場。(後述するコロナ禍での活動も影響していると思われます。)
役どころはコリアンタウンに蔓延るロシアンマフィアのチンピラ役。
なかなかファンキーな髪型で登場します。
因みにこの作品には異母兄弟の弟ニコラスも登場。
ニコラスはヴァン・ダムにスナイパーライフルで撃ち殺されるマフィアの運転手役。顔は殆ど映りません……。

スクリーンの外でのクリス

と、クリス・ヴァン・ダムの出演作品を振り返ってみたのですが、基本的に父親の作品にしか登場しておらず、知る人ぞ知る俳優にとどまっているというのが正直な所でしょう。
実際、いくつかのインタビューを見聞きする限りでは、役者として成功するモチベーションはそれほど高くないように感じられ、映画製作のほうに関わっていきたいような話をしています。

実際に弟のニコラスと共に「DAMME BROTHERS」という会社を立ち上げているようで、脚本や映画製作、スポンサー探しなどをしている(らしい。)。
確認できる実績としてはJCVDが終始不思議な動きをする、AaRONというアーティストのULTRARÊVEのPVを撮影と、ヴァン・ダムや自身を含めた家族が出演している短いコメディムービーのみ。

AaRON:ULTRARÊVE
撮影,監督はクリス。動画の編集はビアンカが行った模様。

VRヴァン・ダム。クリス、ビアンカ、ニコラス全員登場。
コロナ禍のパンデミックの頃に作られた作品であり、作りが非常にドメスティック。それ以降の作品は現在のところ発表されていないようです。


インスタグラムを確認すると、スター・ウォーズのファンムービーを作っていることは確認されています。(因みにクリスはスター・ウォーズはディズニーが買収してからは死んだものだと考えており、言葉を選びながらもキャスリーン・ケネディに対して否定的なコメントを残している。ルーク・スカイウォーカーよりもボバ・フェットを好むとのコメントもしていて、BOOK OF BOBA FETTに対しては満足していないらしい。)
ディズニーに納得いかないクリスが「それなら自分が撮る」という気概を魅せてくれたのでしょうか。

ライトセイバーの殺陣を練習するクリス。

役者として成功する野心は強くは感じられず、映画製作者としても大きな実績があるとは言えないクリス。
JCVDの息子としての誇りは持ちつつも、自分は自分であり、父のアクションスターの座を継ごうとは考えていないとも答えています(え、じゃあ、この記事のタイトルは一体何なの?)。
しかし、彼のインタビューでの受け答えには気品を感じますし、芸術や音楽にも精通していてインテリジェンスに富んでいます。
人物としての素晴らしさは伝わってきますし、色々持っている才能を適所に配置したら輝きそうなのに、何とも言えないポジションにいるのがとても惜しい。
前述したとおり、熱心なヴァン・ダムファンにとっては親戚の子供みたいな感覚で応援しているので、その才能を輝かせられる場所を見つけられればよいなと思っています。


我々は彼らの事を応援し続けます!

(キュアナイル)

#ヴァン・ダム推進委員会
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#クリストファー・ヴァンヴァレンバーグ


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