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人生のすごし方を根本から変えるにはどうしたらいいか?

この問いについて、答えが一言でいい表すことができます。
それは、「ライフステージ」という考え方を取り払うことです。

自由でない教育の大きな理由について、この本では下記のように書いてありました。

それは、人間の一生を「少年期」「青年期」「中年期」など、いくつかの段階に分けて考える「発達段階(stages of psychosocial development)」というコンセプトにそって社会の制度が設計されていることです。学校に通う年齢が決められている義務教育制度はもちろん、働き始められる年齢が15歳からと決められている労働法、数十年にわたって組まれる住宅ローン、支給年齢が決まっている年金などがその例です。私たちの人生は、法律によるいろいろな「仕切り」で区切られているのです。

p62

この仕切りができたのは、1950年代にアメリカの心理学者エリク・H・エリクソン博士の「心理社会的発達理論」です。
アイデンティティという概念をつくり上げ、発達段階モデルとして各段階の課題や危機を明確化したことで、世間に大きく受け入れられました。

そこからライフステージという考え方が定着し、現代でも社会の基盤としてシステム化され続けています。

しかし、人生のすごし方の根本的変化にはシンプルにこれをなくすことが必要です。

学校がつまんないと思うなら、無理して行くことはない。したくもない勉強を無理やりさせられて嫌いになるくらいなら、しないほうがマシ。遊びたいなら遊べばいいし、学びたいなら学べばいい。働きたいなら働けばいい。もしなにかをすることに疲れたなら、休めばいい、と。
つまり、「仕切り」なんてとっぱらってしまい、人はいつでも遊びたい時に遊び、働きたい時に働き、学びたい時に学べればいいと思うのです。
いっそのこと、「子どもたちに基礎を教える学校」とされている「小学校」や「中学校」も、やめてしまえばいいと思います。なぜなら、それが最初の大きな「仕切り」だからです。
「小学校や中学校をやめる」とはどういうことか。もちろん、ただそれらをなくしてしまえばそれでいい、という意味ではありません。
僕が行きついた新しいアイデア、それは現在の小中学校をやめて、そのかわりに新しく「初心者のための学びの場」をつくるというものです。子どもも大人も関係なく、同じテーマに興味がある「初心者」が誰でも一緒に楽しく学べる場をイメージしています。
そして、「技能の訓練」や「立派な大人をつくる」など、これまで学校に求められてきた目的を、私たちが学校に求めるのをやめてしまうのです。すなわち、学校にかけられている「呪い」を解いてあげるのです。

p66,67

つまり,小学校,中学校という「決められたライフステージ」を大人も子ども「学びたい時に学ぶことができる初心者として教育を受ける」という考え方に変えるということです。

社会が見えてきた大人になると,もっと勉強したいなと思うことはよくあります。
そんな時に,ライフステージでの思い込みが弊害になっていることが現代の教育の問題だと思います。

ライフステージに囚われず,学びたい時に学び,働きたい時に働くことが,本当の健全な教育ではないかいうことをこの問いから学ぶことができました。


この記事は「冒険の書」著者:孫泰蔵 の中に出てくる「問い」についてまとめています。

また、「冒険の書」を記事にしようとしたきっかけは下記のnoteにまとめました。
興味があればぜひご覧ください。

#冒険の書 #教育とは #キャリア教育 #STEAM教育

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