見出し画像

なぜ基礎から学ばないとダメなのか?

何か新しい事を始める時に、周りにアドバイスを求めると、「やっぱり基礎が大切だから基礎から始めなさい」とよく言われます。
学校教育も例外ではなく、小学校の1年生の算数で習うのは今でも足し算と引き算という計算の基礎と呼ばれるものです。

さらに、「基礎とは何か」「基礎と応用の境界は?」と言われて明確に答えられる人はなかなかいないと思います。

「基礎という神話」のタイトルで基礎が大事という考え方に対して、この本にはこう書かれいています。

そもそも、「基礎が大事」という人の考えは、「複雑な問題は、基礎を組み合わせることによって解くことができる」という前提に立っています。そして、この前提にはさらに大きな前提があります。それは「どんなに複雑なものでも、それを要素に分解し、それら一つひとつを理解すればなんでも理解できる」という考え方です。これを「還元主義(reductionism)」といいます。
「基礎」という考え方は、この還元主義の象徴なのです。

p78

しかし、この還元主義には根拠がありません。人の知識は、基礎から応用の順に発展したという一本道ではありません。新しい現象、好奇心からの興味などを解明するために、基礎と呼ばれる数式や仕組みが生まれてきた事の方が多いのではないかと考えます。

教育についても、基礎が大事という型にはめ込まず、もっと興味を持った事から始めるというスタンスがあっても良いのではないでしょうか。

「自由に遊んでいる中で、気がついたら学んでマスターしてしまっている」という状態が最も理想です。そういう学び方なら、学んでいる本人は楽しいので、長続きします。
なにかを習得する最良の方法は、長くずっと学び続けることです。その観点からも「遊んでいるうちに学んでしまう」というのはとても理にかなっていると思います。そして、教師も「教える人」をやめて、「一緒に遊ぶ人」になればいいのです。基礎はおもしろくない。なのに、基礎をやらされる。だから、「夢中になったまま大人になれない」。そう、私たちの中にある「基礎」という常識がジャマをしていたのです。
「基礎」という常識の無意味さに気づいてしまった以上、僕はもう「基礎」などという考えにとらわれるのをやめようと思います。そうすることで、学びとともにあった遊びを、専び私たちの手に取り戻すのです。

p82

基礎が大事という常識や思い込みを、一度立ち止まって本当に正しい考え方なのかを確認する人が増える事で、これからの教育も少しずつ変わっていくのではないかと考えます。


この記事は「冒険の書」著者:孫泰蔵 の中に出てくる「問い」についてまとめています。

また、「冒険の書」を記事にしようとしたきっかけは下記のnoteにまとめました。
興味があればぜひご覧ください。

#冒険の書 #教育とは #キャリア教育 #STEAM教育

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?