第96回アカデミー賞に近いのは誰だ?:助演女優賞編
今年も重要3賞と呼ばれる全米映画俳優組合賞(SAG)とブロードキャスト映画批評家協会賞(BFCA)、ゴールデン・グローブ賞(GG)の候補が発表されて、今シーズン注目の役者がそろった。さて今一番勢いがあるのは誰でしょう。※は英国アカデミー賞(BAFTA)のロングリスト入りの印。
助演女優賞編。
3賞全てに候補入り
・エミリー・ブラント/オッペンハイマー※
・ダニエル・ブルックス/カラーパープル※
・ジョディ・フォスター/ナイアド ~その決意は海を越える~※
・ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ/ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ※
いずれか2賞に候補入り
・ジュリアン・ムーア/MAY DECEMBER※(BFCA+GG)
いずれか1賞に候補入り
・ペネロペ・クルス/フェラーリ(SAG)
・アメリカ・フェレーラ/バービー※(BFCA)
・ロザムンド・パイク/Saltburn※(GG)
現時点では「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」のランドルフが前哨戦をほぼ総なめにしている助演女優賞。彼女はノミネートはおろか受賞も見える距離にいる。
その後ろを追いかけるは「オッペンハイマー」のブラントだ。作品は大ヒット&作品賞本命、そして長年オスカーノミネートを強く望まれる彼女だけにいよいよその時は来た感がある。
年末の映画館を温めたばかりの「カラーパープル」からブルックスも圧巻のミュージカルパフォーマンス。キャストの中でも、ひと際高い評価を得ている。
ムーアは名コンビであるトッド・ヘインズ監督作「MAY DECEMBER」で手堅い評価。ただ挑発的な作品だけに、ノミネートされるか不安ではある。現に全米映画俳優組合賞の候補を逃してしまった。これは痛い。
数多くのキャストが名を連ねる「バービー」からはフェレーラが名乗りを上げた。作品への支持と共感を呼ぶキャラクターで候補を狙う。あの名スピーチは本作の数多くあるハイライトの一つだ。
一方で、共感を呼ばないといえば「Saltburn」のパイク。大金持ちのイヤな所を豪快に演じた。とはいえ、ちょっと可哀そうにと思ったりもしなかったり…。
「フェラーリ」からエンツォ・フェラーリの妻ラウラを演じたクルスが睨みを利かせる。ここにきての全米映画俳優組合賞ノミネートは大きい。実は全米映画批評家協会賞で助演女優賞二位に選ばれるなど、その評価は高かった。
そして嬉しい存在は「ナイアド」のフォスターだ。キューバとフロリダ間を泳いで渡るナイアドをサポートする親友ボニーを力強い演技でみせた。実は1994年の「ネル」以来、オスカーからは遠ざかっていたフォスター。29年ぶりの候補入りに期待。
英国アカデミー賞でギリギリノミネートを果たした「関心領域」のヒュラーもお忘れなく。主演作「落下の解剖学」と併せて候補入りとなれば、オスカー初の非英語演技でのダブルノミネートを達成する。
オスカーではどんな顔が揃うのかワクワクする。
・・・あれ、マクアダムスはどこ?