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鳥かごを破り、プリシラは空高く舞う~ケイリー・スピーニー~
ACTORS PROFILE Vol. 30
ケイリー・スピーニー
「プリシラ」
長後の都知事が選ぶ代表作
「ホテル・エルロワイヤル」
1997年/1998年アメリカ生まれ。鳥かごを破り、プリシラは空高く舞う。
プリシラ・プレスリーは、キングことエルヴィス・プレスリーの妻だ。世界を熱狂に包んだ夫の隣にいた彼女は何を思っていたのだろうか。
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▲2018年はスピーニーにとって重要な年だ。2016年に短編映画でデビューした彼女は、いきなりの大役を掴む。その作品は「パシフィック・リム:アップライジング」。あのオタク心を震わせたギレルモ・デル・トロ監督の胸熱カイジュウ映画の続編にして、批評的にも興行的にも上手くいかなかった作品だ。メインはカイジュウとイエーガーの戦いなだけに、人間がおざなりになる作品でスピーニー含めキャストは難しい仕事だったことだろう。けれどもジョン・ボイエガと共に世界を救うためにイエーガーに乗り込んだスピーニーは瑞々しかった。後から当時20歳だったことを知り、あまりの童顔にびっくり。この「幼い」印象がこの後、重要な意味を持つことになる。2018年には他にも「ビリーブ 未来への逆転」と「バイス」でルース・ベーダー・ギンズバーグとディック・チェイニーの娘役でそれぞれ出演。特に前者では偉大な母に反発する娘ジェーンを好演した。
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だが何よりもスピーニーの知名度を上げたのは「ホテル・エルロワイヤル」だろう。豪華なホテルで繰り広げられるサスペンスアクションで、スピーニーは物語の鍵を握る少女を演じた。善悪どちらに転ぶか分からないハラハラさせるパフォーマンスで見るものを引き込んだ。そんな実年齢よりも若い役柄を演じることが多かったスピーニーに絶好の作品が舞い込む。
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▲ プリシラとエルヴィスの結婚生活を描く「プリシラ」でスピーニーは、プリシラの14歳から27歳までを演じている。幼い印象が強い彼女が、実際に若くしてキングの妻になったプリシラに扮するということ。あどけなさの残るスピーニーの表情や姿が、映画の持つ複雑なテーマを浮かび上がらせる。エルヴィスとの出会いから別離までの心の機微を丁寧に掬い上げる。
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▲籠の中の鳥のようにエルヴィスの豪邸で、世界をまわる夫を待つ心情をクローズアップし、プリシラが持つ固い芯と繊細な憂いを同居させてみせたスピーニー、あなたの未来は明るいよ。
ケイリー・スピーニーの関連動画
・アカデミー協会でのインタビュー
・ソフィア・コッポラ監督と共演のジェイコブ・エロルディとの談話