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精神病院に入院してしまった忘備録8

精神病院に入院してしまった忘備録8

退院後の生活も書いてみようと思う。まず、退院の日は一人で帰ってきた。約50日分の荷物を持って自分で精算をした。一時外泊の時もそうだったけど誰かしらついてくるのが殆どらしく、「お連れの方はまだ?」と何度か聞かれた。「いえ一人です。」と答えるやり取りが何度かあった。

自殺理由での保護入院で、もし電車やビルやら何かあったらどうするのだろうか?一人で歩き始めてふと思った。
そして、「もう二度と来るか」と心で悪態をついた。

30年くらい前に栄えた街らしく、今は旧ベッドタウンの風情の森のような緑の多い病院だった。精神病院は隔離の為、森の中など人目につかない所にあるという都市伝説を思い出す。

久々の外の世界には、少しの不安と体力が続くかと大きな不安がふたつあった。
また、「過呼吸になったらどうしよう」、など入院生活で植え付けられた更なる不安が頭をよぎる。他にも「この電車は本当に合っているか?」などいらない心配・不安で頭がぐるぐるする。「一旦落ち着こう」とマインドフルネスで習った木の葉理論で不安を流す努力をする。

たかだか、距離感的には一番近い繁華街に出るだけなのに、こんなにも不安になるなんて病院が怖くなった。

病院に落ち度があるかと言われれば無いが、とにかく「心配の種」「不安の植え付け」が私にはあった。

乗り換えも無事済まし、家に着いた時の複雑な気持ち。嬉しいが、自殺行為の現場でもある。深夜とは言え、搬送されたご近所の目もある。

そして、何より多くの不安を抱えたまま日常生活に戻る厳しさ。母親業を開始し、食事、洗濯、人の生活を抱えて毎日を営まなければならない。今の私にできるだろうか?

また不安が増える。不安っていったいなんなのだ。
これがきっかけで心を病み、自殺をはかり、日常生活に怯える。

とにかく退院をしたのだ。一つの地獄が終わったのだ。私はいつも判断を間違える。自分の思う方向は全て間違っている。
なぜ自殺をした?なぜ保護入院させてしまった?なぜこんなに不安に怯える?それの確信を得た事をよし、として次の生活を送らねば。

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