【算数】小学生のとき「はじき」を使いこなせなかった私が、のちに積分を知ってうれしくなった話
なにかとSNSで話題になる「はじき」。「速さ・時間・距離」の頭文字の「は・じ・き」の3文字を、円を分割した図のなかに書き入れることで、「距離÷速さ=時間」などの公式を導くものとして知られています。
私自身も、小学校のときに塾の先生から教わった記憶があるのですが、あまりピンと来なかったので、使うことはありませんでした。今回は、そんな子ども時代の思い出と、「はじきを使わずに、どうしていたのか?」などを書いていこうと思います。
謎の「はじき」
「はじき」の図に、足と触覚を生やして「これは虫だ~!」と喜んでいたアホな小学生だった私。算数もとりわけ得意というわけではなく、今思い返すと「速さ」についてあまり理解できていなかったような気もします。そもそも算数に限らず、勉強自体がそこまで好きでも得意でもない子どもでした。
そんな私が、初めて「はじき」を教わったときに、抱いた感想は……
・「は」「じ」「き」の位置を覚えられない
・×や÷の位置も覚えられない
・なんか突拍子もない
記憶力もあまりない上、「覚えよう」と努力するほど勉強熱心でもなかったので、「はじき」の使用を諦めてしまいました。
ある先生が教えてくれた「面積」
こんな私が「速さ」で致命的につまずかずに済んだのは、ある塾の先生からの教えでした。
それは
「縦の辺を速さ、横の辺を時間にして長方形を描いて、その面積が距離」
というもの。
こちらは、なぜか頭にすんなり入ってきたので、この方法を活用することにしました。
「秒速2[m]で3秒間進むと、2[m]を3回繰り返すから、2×3[m]」くらいの理解はしていたと思うので、長方形の面積によって「速さ×時間=距離」を実現していると、納得できていたのだと思います。
そのため「はじき」のときのような、「なんか突拍子もない」という感覚がなく、受け入れられたのでしょう。
この面積を使う方法は「速さが途中で変わる問題」を考えるときなどに、とても役に立ちました。
のちに積分やv-tグラフを知る
その後、私は積分やv-tグラフ(速度と時間のグラフ)に出会うことになります。
小学生の頃は、等速(と仮定している?)運動しか扱っていなかったので、x軸を時間、y軸を速度としてグラフにしたとき、x軸に平行な真横に伸びる直線を考えれば良かったからこそ、「長方形の面積」で計算できていたことに気づきました。
しかし、速度が刻一刻と変化する場合は、x軸に平行な真横に伸びる直線ではなく、グネグネとした曲線になることもあるでしょうし、今まで通り「長方形の面積を求めれば良い」というわけにはいきません。
そんなときは「ものすごく短い時間」で区切り、「この短い時間では等速ということにしておこう」と思って、千切りのような細長い長方形たちの面積を考え、これらをガバッと全部足すことにより距離を求められるのでは……というイメージを持つようになり、「あのときに習った長方形の面積はここにつながっていたようだ」とうれしくなりました(※私は物理学があまりわからないので、この説明は不正確かもしれません)。
<急に話が難しくなったように感じた方へ>
この節では高校数学(積分)を前提知識としています。ざっくりとした話としては以下のサイトが参考になると思います。
理解せず、暗記していただけかもしれない
最初にも書いた通り、私はあまり頭が良くありません。1を聞いて10を知るどころか、「1を聞いて0.5くらいわかったらラッキー」という人間です。
算数や数学を勉強するときに、一つ一つしっかり理解して進めていくのが理想だと思いますし、できる限りそうするようにしてきたつもりです。しかし、困ったことに、学校のカリキュラム、テストや受験などは、理解の遅い私を待っていてはくれません。
そのため、理解が浅くても、いったんは受け入れて、前進していくしかない場面が多々ありました。
今回の「面積の方法」についても、小学生の私は「これを使えば答えが出る」と、単に暗記していただけなのかもしれません。
さらに言えば、大人になった現在の私に「面積や速度などについて、しっかりと理解していますか?」と自問してみると、答えは「No」です。ルベーグ積分などを理解して使いこなせるわけではないですし、物理学を専門的に学んだこともありません。
今、この記事を書いていても「私の理解は不十分だ」「雰囲気だけをつかんで、単に暗記しているだけかもしれない」と感じます。まだまだなので、さらなる学習が必要です。
さいごに
小学校で勉強するとき、「距離」は「線」のイメージが強いと思うので、なぜ私が「距離を面積と考える」をすんなり受け入れられたのかはよくわかりません。
そのため、この教え方で余計混乱してしまう小学生もいるでしょうし、他にもっと良い方法があるかもしれません。
とはいえ、個人的な経験として、とても助かったことであり、後々の学習においても役に立ちました。伏線を張るように、その後につながることを教えてくれた先生には感謝しています。