見出し画像

完コピができなかった(勝手に私の履歴書1)

主宰するプログレッシヴ・ロック・バンド「金属恵比須」。
2025年に結成34年を迎え、そろそろバンドの正史を編纂しなければと思い始めた。

が、筆者は今年で45歳。人生の75%を金属恵比須と共に過ごしていることになる。であれば人生を振り返りながら編纂していけばいいのではと考え、「勝手に私の履歴書」というテーマで書いていこうと思い至った。
また、このところ物忘れがひどくなったのも一因。遠い記憶が二度と戻ってこなくなる前に記録に残しておこうと思った次第である。

まずは金属恵比須について。
結成は1991年。小学5年生の時に同級生と組んだのが源流だ。メンバーチェンジあり、解散もあり、活動休止もあり、紆余曲折を経て今まで生き延びている。

この34年間、ブレていないことがある。
「70年代前半ブリティッシュ・ロックの音をオリジナル曲で奏でる」
ということ。これは半ば意識的で半ば無意識で行なっていることもある。

理由は明快。その音楽の完コピができなかった、それだけに尽きる。

いくら楽器の練習をしてもジミー・ペイジにもなれないし、リック・ウェイクマンにもなれない。彼らの演奏の再現ができないのだ。一部のフレーズを真似ることはできても1曲通して弾き切るということが困難だった。
否、努力家ではないことの方が大きいかもしれないし、楽器を弾くセンスがなかったのかもしれない。とにかくコピーのできる人が羨ましかった。
仮にMr. Jimmyさんのように流暢に弾けたならば、今もレッド・ツェッペリン・コピー・バンドを続けていたことだろう。

それができなかったから、オリジナル曲を作らざるをえなかった。憧れのブリティッシュ・ロックの曲で弾くことのできる断片をつなぎ合わせてオリジナル曲を作り、70年代ロック愛を満たそうとしたのだ。

完コピできなかったからオリジナルに。

この消極性が金属恵比須の原点なのである。

これから不定期で「勝手に私の履歴書」を更新していきたい。思い出す限り書いていこうと思っている。思い出せれば、だが。


(写真:木村篤志)

いいなと思ったら応援しよう!