つちやかおり FRAGRANCE (1983)
劇団から金八先生出演を経てアイドルデビュー。女優らしい表現力を感じるアルバムです。
1.さよならに慣れるまで
「哀愁のオリエント急行」などと同様、歌謡曲テイストの歌い上げる曲を一曲目に。アルバムへの期待を高めてくれます。
失恋した自分を客観的にみつめ忘れていこうとする気持ち。「さよなら」の悲しげできれいな声が印象的。
2.September Rain に消されて
歌謡曲風味強め。19歳でこれは渋いですね。
歌い方は大人っぽくないので、大人っぽい歌詞とのミスマッチ感が際立ちます。
「7階の窓ぎわで…」を最初と最後に繰り返すことで、別れの場面がより濃く表現されています。
メロディーが頭に残る名曲。
3.半分愛して下さい
付き合っているけど私の方が好きすぎる、という内容。ほんわかした中にも困難な恋のニュアンスがあり、それも伝わってくる。
4.ジェラシーから
好きな人が別の女性をずっと待っている。それを悲しく見つめるヒロイン…かと思ったら、年上の彼女に「自分が彼の恋人」だと嘘をついて妨害した、彼女は来ない、というなかなかの内容。
でもつちやさんの歌だと「本人も反省してますんで…」と庇いたくなってしまうなあ。
5.紅い糸
すごく聖子ちゃんに似ている…と思う。サビのしゃくりとか曲調も。歌の内容より、似てることばかり気になる一曲。こんなに似せて上手く歌えるのは彼女が器用ということなんだろうけど。
6.つむじ風
軽やかなリズムに乗った秋の曲。恋する人たちを応援するような内容で、彼女の透明感ある声と可愛さが発揮された曲だと感じます。
7.さよならは突然に
都会的でおしゃれな別れの曲。同じフレーズ(節回し)を繰り返す所は少し気になるなあ。リズムが特徴的で、ダンスしているかのよう。
8.シュガーラブ
初めての恋に浮き立つ心情を表現。サビが印象的で耳に残りますね。
9.19の夏
ベースギターのチョッパー(スラップ)が特徴的なイントロながら、ザ・昭和。恋人が冷めて失恋したけど忘れられない…という内容。
10.眠らせてララバイ
ジャジャジャン!と勢いのある演奏で覚えやすい曲。ララバイとは子守歌ですが、失恋の気配に夢を見ることさえ嫌な気持ちを歌っています。
1983年ってアイドルポップスが軌道に乗ってきた時期かなと思うのですが、作り手や歌手によって歌謡曲・演歌寄りになったりロック調になったりしてバラエティ豊かですね。音楽に詳しくない自分からしてもアイドルのアルバムは宝石箱みたいで、歌詞だけじゃなく音楽として楽しめると思っています。
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