芳本美代子 PARADISE PARK(1986)
小動物のような愛嬌ある笑顔で、親近感のわく雰囲気のアイドルだったと思います。デビュー曲の「白いバスケットシューズ」は印象的でした。
これは彼女の2枚目のオリジナルアルバムです。
1.「乙女の祈り」
タイトル通り、初めてのデートのときめきを乙女チックに歌っています。
曲も歌詞もちょっと聖子ちゃんっぽさがあるように思います。
キラキラした女の子の姿が見えるような曲。
2.「昼下がりのシンデレラ」
疾走感ある早いピッチの曲。
付き合いたての二人、不器用な彼の扱い方をあれこれ検討する姿。
少し聖子ちゃんの「ハートをROCK」を思わせるシチュエーションです。「後ろめたい秘密をしに」という歌詞が何とも。
3.「水玉模様のラブレター」
遠距離の相手に書く手紙。
鉛筆とかシールなど、学生らしいワードが散りばめられている。
ラブレターなんだけど、好きと書かない乙女心。
4.「セピア・サマー」
少しゆっくりしたテンポになり、失った夏の恋を歌っています。
いろいろ歩きながら思い出すあれこれ。
自分から振ったのでなければ愛はなかなか消えないもの。
ひとつ失っても「私はいつでも恋してたい」と前向きなのが、彼女っぽいです。
5.「渚のジェット・コースター」
「恋はいつも危ない乗り物みたい」夏の恋はやっぱりスリルとスピードです。
6.「心の扉」
5枚目のシングル曲。
「あなたが腕にはめる時計になりたかった」ちょっと普通じゃ思いつかないような歌詞がグッときますね。
何か決断をした、大人っぽい声を出しているような印象。曲の世界観を表現しようとする力を感じます。
7.「Sweet Heart」
歌詞を読んでみたのですが、ちょっと不明な点のある曲でした。
「鈴の音で鳴る電話 左手で抱きしめ耳もとに考えた」が誰についてか分からないせいかな?
語り手は彼氏がいながら他の女性にときめいている という内容でしょうか…?
読解力不足なのか、謎だらけですみません。誰か教えて…
8.「ラビット語でささやいて」
「私は白いウサギよ」というスタンスの曲。
でも彼女の声で聴くと、歌詞のとおり、白くて長い耳が脳裏に現れるのです。十代らしい愛らしさが満載です。「ねぇ」と囁きかけるところなど特に可愛いですね。
9.「海岸エッセイ」
緩急を使いこなし、綺麗なファルセットを聴かせます。歌手としての魅力がつまった曲。メロディもいいです。
10.「パラダイス・パーク」
ワルツのリズム?で遊園地をイメージした恋の曲。
ゆったり回るメリーゴーラウンドになぞらえた恋はメルヘンチック。
最近改めて聴いて、きれいな声をしてるなと思いアルバムを探しました。
テレビで見ていた当時は、残念ながらバンドの演奏で歌声が消されていた記憶しかなく…。
こんなに表現力があり、歌もうまいなんて!もっと前に知りたかった。
夏をテーマにしたアルバムなのでアップテンポで楽しげな曲が多いですが、シングル曲「心の扉」など愁いを含んだ曲も歌に深みを感じて、いいですね。
ぜひおすすめしたいアルバムです。