Ⅰ大学病院時代@東京 ①研修病院編 その4
さて、朝の採血業務を終え、初めのうちは研修医医局という数人で利用する事務所のような所で朝ご飯を摂っていましたが、そのうち夜勤の看護師さんから声を掛けられ、一緒に食べるようになりました。
これも看護師さんたちに受け入れられるようになってからのことではあるのでしたが。。。
それから看護師日勤者が出勤してきますので、朝の申し送り時間となります。
夜勤者と日勤者で、夜勤帯にあった患者さんの発熱や転倒などの変化と対応を報告し、日勤帯の予定を確認します。
この時間は研修医にとっても大事な情報収集時間で、それを基に検査や処置を追加したりします。
昼間は病棟診察・外来診察陪席(上席医師の隣でお勉強)・検査(腹部/心臓超音波や消化管/気管支内視鏡、血管造影など)を曜日ごとにいろいろ行います。
とにかく本を片手に、実践経験をひたすら積んでいきます。
夜にはその日の復習と翌日の予習。
分からなければ調べまくり、一応これで良いのでは、という答えを出します。
上席医師や指導医を探し、問題なければそれを実施したり、指示として看護師に依頼します。
検査など手技ものはもちろん緊張するのですが、何気にこの指示出しがストレスでした。。。
入院患者さんの治療に薬剤の点滴指示を出す時のことです。
一般的に治療薬は複数あり、どれを使うかは機序や薬効の強さなどで選ばれます。風邪薬なんかも同じですよね。
現実的に、常に全てのことを上席医師に確認するわけにもいかないため、ある程度までは研修医の裁量に任されます。
自分なりに調べて、考えて組んだ点滴指示でしたが、それを受けた看護師さんは数秒その指示を黙って見て、「ふーん、先生はこれでいくんだ」と。
自信なんて無い研修医ですから、そう言われて、どこかマズいところがあったのか問うと、「先生がそれでやれっていうんなら、それで良いんじゃない」と指示を持ち、去っていかれたのでした。
受け取り方の問題でもあるのでしょうが、それ以来ビビりな研修医は指示を出す時がストレスになり、十二指腸潰瘍を1年の間に2回も繰り返すことになるのでしたw
まぁ、研修医というのは内部では、職人さんたち同様、入りたてのヤツはヒエラルキーの下層にいるわけなのです。
検査技師さんたちや薬剤師さん、医療福祉相談員さんたちにも教えてもらうことばかりで、いつも頭を下げていました。
そう言えばあの時代はそこまで患者さんからの「オココロヅケ」が厳しく制限されていなかったので、下町の病院でもあり、何度かいただくことがありました。
お菓子などはそのまま外来や病棟の看護師さんに横流しでした。
研修医からするとご機嫌取りのワイロの役割もあったかもしれません。
商品券はそのまま自分のポケットに。まんま現金ということもありました。
なかでも印象的だったのは、お弁当でした。
外来通院しているおばあさんが、午前の外来が夕方までかかっていて、お昼を摂る時間もないのを知り、作ってきてくださったものでした。
四角いタッパーに下にご飯が敷かれ、上に手作りのお惣菜がいくつか乗せられた、今時ではない、とても懐かしい感じのお弁当でした。
優しい気持ち、心遣いがとても伝わってきた、素敵な思い出です。
次回は研修病院編の番外編を綴ろうと思います。
ちょっと下世話な内容になりますので、どなたでも読まないよう、課金版とさせていただきます。
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