【覚え書き】TGCVについて学んだことまとめ
2023/07/01の「中性脂肪学会」の配信を聞いて学んだことを、私なりにまとめたのでメモしておく。
●TGCVとは
心臓の周りに中性脂肪がどんどんくっついていき、心臓の拍動力が弱くなる病気のこと。進むと心臓の動きが緩慢になり、中性脂肪に覆われて大きさも大きく丸くなっていき、かなりの時間が経つと心筋自体が死んでしまう。虚血性心疾患や心不全などの症状のように思える場合があるが、その治療法を用いても治らない場合に診断される場合がある。例えばニトロを用いて血管を拡張したり、カテーテルをしたりして拡張しても改善が見られない。原因不明となることが多いらしい。
最近では、BMIPP検査をして、その洗い出し値が10%を切るとTGCVの可能性があるとの一つの基準があるらしい。
TGとはトリグリセリド=中性脂肪のこと。ただし、中性脂肪といえばお腹周りにつくイメージがつよいが、TGCVの場合はそうではなく、体の大きさや食欲とは関係がない。その原因・機構はいまだ不明で、なぜかわからないが心臓の血管内で中性脂肪を分解できずにどんどん溜まっていく。結果、ミトコンドリアに中性脂肪を分解したグリセリンを渡せずミトコンドリアがエネルギーを産生できず、心臓が動けなくなり息が上がったり倦怠感が出たり心臓が痛くなったりするらしい。
食欲が極端に落ちる症例もあり、例えば70代女性ではトースト半分も食べられず、卵も半分も食べられなかったとか。ゆえに体重は軽く、中性脂肪と言う名前から想起される体型とは全く逆の体型であってもTGCVの可能性がある。体型とTGCVの相関はない。
●治療法
現在の治療法は、トリカプリン(カプリン酸)というC=10の中鎖脂肪酸を摂取すること。これにより心臓周辺に溜まっていた中性脂肪の分解が進み、ミトコンドリアもエネルギー産生できるようになる。投与開始から2週間ほどで改善が見られはじめ、1年ほどで日常生活や体力的にも元の水準近くまで戻せるらしい。
●注意点
カプリン酸のような中鎖脂肪酸、特に炭素数10のものがとても有効だとはわかったらしいが、ではそれが含まれている食品は?となると難しいらしい。
例えば、カプリン酸自体が数%でも含まれている食品は存在するが、一方でその食材を摂取すると、邪魔になる脂肪酸まで摂取してしまう。鎖が長い脂肪酸の摂取こそがこの病気を促進してしまう要因の一つなので、カプリン酸だけに注目をして食品を摂取することは控えなければならないと平野先生も忠告されていた。
●初期症状
初期症状としては、胸痛や極端な息切れが多いらしい。原発性といって、生まれながら遺伝的にもっている場合もあるが、現在660近くある症例のうち原発性はたった11例のみ。9割以上が特発性、つまり生後の既往。
過去に亡くなられた方の心臓検体も使って調査したところ、学会の推定では現在日本だけで1万人以上罹患者がいるのではないかとのこと。
平野先生によると、初診(初期症状の訴え)からTGCVの診断までに10年や20年かかった方も大勢いるそう。学会の症例では診断までの平均が10年だそうだ。この学会の活動によって広く普及することで、まだ見つかっていない方々に早く手が届いてほしいと思う。
いまだTGCVなのに適切に診断されずに苦しんでいる方がもしいたとしたら、とにかく1日でも早く適切な診断名がつき、最短で改善できる道に辿り着いて欲しいと切に願う。
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本記事を書いている私は医療関係者ではなく一般人です。きっと多少または多分の誤表現があることと思います。ですが、本記事の目的は、TGCVという難病の存在を広めることにあります。非認知者にとってのトリガーとなってほしいと切に願います。
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