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台湾籍の問題

 こう言っては申し訳ないですけど、蓮舫さんが「普通の人」になった後の段階で、ようやく「日台複数籍問題」の検証がまわり始めるのではないかと思っています。
 蓮舫さんが公職にあるうちは、蓮舫氏に遠慮するマスコミの方が、むしろこの件をタブーのように扱ってきているように感じます。

 マスコミが取り上げなかった過去の行政文書・文献を追いかけてみればこの問題の「奇妙さ」は、明らかです。

 行政文書の、昭和49年12月26日付法務省民五6674号民事局長回答(日本加除出版「親族、相続、戸籍に関する訓令通牒録」7綴9225頁に掲載)には
「要旨」に

・日中国交回復後に帰化したとして、台湾政府発行の帰化証明書を添付し
てされた国籍喪失届は不受理として扱うのが相当である。

とあり、

・日本人が外国への帰化など自己の志望によって外国籍を取得したときは、日本の国籍を喪失するものとされている(国籍法第11条第一項)。
そして、その場合には、当該日本人当事者を戸籍から除く必要があるため、本人、配偶者又は四親等内の親族に国籍喪失の届け出義務を課している(戸籍法第103条)。
本先例は、日中国交回復後に帰化したとして台湾政府発行の帰化証明書を添付してなされた国籍喪失届は、不受理として取り扱うのが相当であるとしている。

と解説されています。
 「日本国民が望んで台湾籍を取った」場合の扱いが、国籍法11条の「外国籍志望取得」の扱いにならない。ならば当然の帰結として、「台湾籍を持っている」場合の扱いが法上の「重国籍扱い」にならないことも明らかではないでしょうか。

 2016年に当時の法務大臣は「台湾出身の重国籍者」という言い方をして、いかにも「当然に選択義務対象だよ」と匂わせるような発言をしましたが、この行政文書の存在との矛盾を回避するために、「叙述トリック」を仕込んだことが見て取れます。
 そもそも「台湾出身の重国籍者」の定義って何なのか?

 6年も経って東京法務局民事行政部長は

今般、台湾出身の重国籍者から、別添資料を添付して国籍離脱の届出がなされましたが、 当該資料により、 届出人を外国の国籍を有する日本国民と認めることはできないものと考えます。

令和4年(2022年)8月5日付け2国2第12号東京法務局民事行政部長照会

と書いている。
 「外国の国籍を有する日本国民と認めることはできない」ならば国籍法14条1項の義務対象者

第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が十八歳に達する以前であるときは二十歳に達するまでに、その時が十八歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

で、条文が定める義務対象者「外国の国籍を有する日本国民」に該当するはずもないでしょうに。

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