「国籍法規定の系譜」の表をクリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-ND 4.0)にて公開します
表公開の反響
7月にnoteで公開した「国籍法規定の系譜」の表(改訂版)
ですが、国籍問題に関心がある方々から思わぬ反響がありました。
(※一部の方から、直接コメント・ご意見をいただきました。)
当方が伝えたかったこと
通説
しばしば、「日本」は「明治以来」「二重国籍を認めていない」などという説明を耳にします。これは二重国籍賛成派、反対派どちらの立場からも(つまり立場によらず)です。
中でも、「二重国籍を認めて欲しい」と訴える側が、
といった趣旨の主張をする例が見られます。
そうした通説への疑問
ですが筆者には、これがどうも歴史的事実と食い違うように思えます。実際どうだったのか? 文献資料をたどってみると、明治憲法下の旧国籍法では
・「二重国籍者」が、「日本国籍を離脱」しようとしても原則として、認められなかった。(※但し、後年の改正法で一部のケースに限定して離脱を認めるようになっています。)
・外国籍を志望取得して日本国籍を喪失した人が、国籍回復制度を使って日本国籍を回復した場合、日本側の手続き上、外国側の国籍の離脱は求められていないので、(外国側の法律が許せば)二重国籍になる。
・・というのが実態。当時の日本政府は「二重国籍を認めない」なんて言っていないし、それどころか、逆に「現に二重国籍だとしても日本国籍の離脱は認めない」とする制度設計だった。
このような旧国籍法下の制度を指して「二重国籍を認めていなかった」と表現するのは話を曲げすぎているのではないか?
なぜこんなふうに「明治の帝国憲法」と、その下で施行されていた「旧国籍法」に関して「実態とまったく反対」の説が「通説」になってしまっているのか?
表を眺める
文章で読んでもなかなかピンとこないところかもしれません。
そこで当方が作成してみたのが「国籍法規定の系譜」の表でした。先入観をなるべく排して、実際の制度の歴史的変遷に注目して表を眺めると、制度の背景にあるものが見えてくるのではないかと思ったのです。
何度か改訂し、最新の内容が上記の7月21日の掲載分です。
その後、この取り組み趣旨に共感し、この「表」の独自性を評価してくださった方から、「著作権主張すべきだよ」なんてことまでご意見いただきました。
クリエィティブ・コモンズ・ライセンス
ただ、下手に「著作権」を「振りかざす」なんてことをすると、折角見てくれた人に「うわ、面倒くさそうだな」というふうに受け止められて、拡散の妨げになるのではないか?という懸念も持ちました。いろいろ調べてみたところ、こういうケースでは
というプロジェクトが推進している
というのを使うのが良いらしい。
というわけでタイトルの通り、
以下の「国籍法規定の系譜」の表(国籍法系譜2024_0720.png)の画像pngファイル部分について、クリエィティブ・コモンズ・ライセンス(CC BY-ND 4.0)にて公開します。
ファイルのダウンロードは以下から
国籍法系譜2024_0720.png © 2024 by LiuK is licensed under CC BY-ND 4.0
画像ファイルの利用について
・出典の記載
画像ファイル(国籍法系譜2024_0720.png)は
コモンズ証 - 表示-改変禁止 4.0 国際 - Creative Commons
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出典:
国籍法系譜2024_0720.png © 2024 by LiuK is licensed under CC BY-ND 4.0
あとがき
各種資料の見よう見まねで書いてみましたが、クリエイティブコモンズライセンスによる画像データ公開って、こんな感じでいいのでしょうか?