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Quoraに書いた回答(台湾籍の扱い)

蓮舫氏が二重国籍だと一時期話題になりましたが台湾は日本と国交がなく法律上は台湾籍と日本籍を両方持ちことは合法でした。なのに何故あそこまで責められたんですか?

https://jp.quora.com/%E8%93%AE%E8%88%AB%E6%B0%8F%E3%81%8C%E4%BA%8C%E9%87%8D%E5%9B%BD%E7%B1%8D%E3%81%A0%E3%81%A8%E4%B8%80%E6%99%82%E6%9C%9F%E8%A9%B1%E9%A1%8C%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8C%E5%8F%B0/answers/1477743834076211

法務省が過去の(蓮舫氏を攻撃する側にとって都合の悪い)説明の存在を隠したことが最大の原因だと考えます。(攻撃側に加わった与党系議員への忖度かもしれませんね。)

1993年に法務省は「国籍・帰化の実務相談(日本加除出版)」という書籍で国籍法の「外国」の文言解釈について次のように説明しています。

p236 > 《実務上は、国籍法が国内法であることから国家が政策上承認していない国家『外国』とみなして取り扱うこと自体自己矛盾に陥るとして否定する立場を採っています。》

p237 > 《(中略)以上のことから『外国』とは、我が国と承認関係にある国際法上の国家であることが必要であるという結果になるわけです。》

蓮舫氏が問題にされた「国籍選択義務(国籍法14条)」の対象は「外国の国籍を有する日本国民」です。「台湾籍」を持っていることが「外国の国籍」を持っていることに当たる、というのが当然の前提であるかのようにして蓮舫氏は国籍法違反だと攻撃されていましたが、非承認国を「外国」と扱っていないとする公式説明が過去に存在した以上、そもそもこの議論は前提からおかしかったと言うべきでしょう。

ちなみに上記書籍の「はしがき」には当時の法務省民事局第五課長名で次のように記されています。

p2> 《本書は、国籍に関する法律問題や実務問題について、国籍関係事務を所管している民事局第五課が現在取っている見解に基づいて解説したものであり、最も信頼のおける書物の一つであると自負しているものです。》

もし、これ以降、蓮舫氏の問題が騒がれるまでの間に公式の解釈変更があったというのであれば、法務省にはその経緯についての説明責任があるはずです。不意打ちで人を陥れるような真似をすべきではありませんでした。

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