6000円のカーディガン
前にも書いたことがありますが、僕は買い物はなるべく一人で行きたいです。ショッピングモールに行った時、僕は同じ本屋に3回行ったり、色々な服屋を4往復くらいして服を見比べたり、雑貨屋さんで買うつもりもない変な置物を見たり、フードコートで何食べるかを30分くらいうろちょろして決めたりしたいんです。そしてそれよりも比重を占めているのが「同伴してる人から自分のセンスがどう思われてるのかが気になってしまうから」です。これは友達だろうが親だろうが関係ないです。「そんな柄の服を良いと思うセンスしてんだ」とか「自分は6000円の服に”着られない”と思ってるんだ」とか「おしゃれしようと必死で草」とか思われてないかを考えてしまいます。
親と買い物に行った時、「この服欲しい」とかって普通は言えるものなんですかね。ちなみに僕は言えないです。
1週間前、一人でショッピングモールに買い物に行った時に6000円のカーディガンを買ってしまいました。僕は服にさしてこだわりがある方ではないので全然プチプラで差し支えなかったんですが、なんか買ってしまいました。でもこれ、親と買い物に来てたら買ってなかったと思うんですよね。なんか「6000円のカーディガンを買う息子」として親に見られるのがなんか嫌です。
まだ実家暮らしをしていた頃、父親に「ちょっとユニクロ行きたいから連れて行ってくんない?」とか「買いたいものあるからイオン連れてって」って聞けませんでした。見てるテレビを中断させるのも悪いし、なによりおねだりしてるみたいで嫌でした。なんか、欲しいものがある時だけ擦り寄ってきて財布として使ってるみたいで嫌じゃないですか。
高2の修学旅行前、流石に着ていく服がないと言うことでイオンに買い物服を買いに行ったんですが、3枚Tシャツを選ぶのにすごく時間がかかりました。あの時は値札を見すぎるくらい見てました。いいなと思ったTシャツが4000円だったりした時、頭の中で「好ましくない安めのTシャツ」と「好みの値が張るTシャツ」のどっちを欲しいって言うかですごく悩んでしまいます。
先日、親がわざわざきてくれて成人式で必要になるであろうものを買いに行きました。シャツやら革靴やらを見ている過程でABCマートに行ったんですが、そこでCreepy NutsがCMをやってたadidasのスニーカーを見つけました。僕は何気なく「これ買おうと思ってるんだよね〜」と言いました。すると父親はCreepyNutsのポスターにすぐ気が付いて「CreepyNutsがやってるからでしょ?」と言わんばかりにポスターを指さしました。
その日の深夜、実家に戻った父親から「スニーカー注文しといよ」と画像が送られてきました。父親がスニーカー大好きなことも関係してると思うんですが、いとも簡単に買ってくれました。
言い方悪いですけど、「親に物を買ってもらう」ってこんなに簡単なものなんですかね?欲しいって言ったら普通に買ってくれるもんなんですかね。「こんなのが欲しいのかよ」とか、「広告に踊らされやがって」とか、「こんな高いもの身につけるのかよ」とか思われないか、気にする必要ってもしかしてないんですかね。
高校生の時は外出なんてほぼしなかったので、私服なんてほぼありませんでした。実家にいた時、たまにどこかへ出かける妹を見たんですが、「また新しいカバン持ってる」とか、「見たことないアウター着てる」とか、「あんなズボン持ってたんだ」なんてことが多々ありました。
妹は買い物行くのが嫌いなので両親と僕で行くことが多かったんですが、母親が「妹が欲しいって言ってた〇〇探してくる」みたいなことを言ってるのを頻繁に見ました。そこのところ、妹は遠慮がなくて上手なんでしょうね。
高校生の時、コートをひとつ買ってもらうのに、カーディガンを一着買ってもらうのに、手袋を買ってもらうのに、どれだけの勇気と覚悟を持って親に頼んだことか。4年も経つけどいまだにそのコート着てるからな。右のポケットは穴空いててリップクリームとか変なところ入っていっちゃうけどまだ着てるからな。これからも全然着るからな。
親と買い物に行くとお金を出してくれることが多いです。それつまり、購入する決定権はその場でお金を払う親が握ってることになります。親の立場になると子供と一緒に買い物をして回るのもいいのかもしれませんが、僕は、子供が”中学生以上”だったらもうお金持たせて一人で買いに行ってもらう方がいいなと思います。
#204 6000円のカーディガン