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レンタルキッズコーナー「リトルツリー」という仕事 / 入社4年目の今
日々生活を送っていていろいろな場所へ出かけていると、子どもが安心して遊べる(親目線で安心して遊ばせられる)場所が街中で少ないなと感じることはありませんか?
近年になってようやく子どもが安心して遊べる場所は増えてきている。増えてきてはいるけれど、親が気をつかわないで居られる場所がどれだけあるのか?
やはり充分ではないなと感じてしまう。
20年ほど前ならなおさらである。
当時は遊ぶ場所があることも珍しく、たとえあったとしても子どもに喜んでもらう為というより、大人の都合しか考えられていない「ただ遊ぶ場所(スペース)があれば何でも良いんでしょ?」的なものがほとんどだ。
そんな場所で子どもを遊ばせたくないとの思いと同時に、海外の進んだキッズコーナーに魅了され、2004年に、安心して楽しく遊べるキッズコーナーを子ども達に届けるべくレンタルキッズコーナー「リトルツリー」が生まれました。
自己紹介
こんにちは、リトルツリー(あんしんリトルツリー株式会社)に入社して4年目の岩山です。
今まで経験したこと、感じたことを通してリトルツリーを紹介していきます。
なぜリトルツリーを選んだのか
そもそも私は子どもが好きだ。
昔から子どもが好きで、映画やドラマを見ていても、子どもにかわいそうなことが起こると無条件に泣いてしまうなど、子どもに関して琴線に触れることが多い。
一時期保育士という職業に興味を持っていたこともある。
そんな子ども好きではあったのだけれど、子ども関係の仕事には就かず音楽で夢を追っていた時期があったり、いろいろな仕事をしていた。
きっかけとなったのは、自分に子どもが生まれ、子連れでお出かけしたときに感じた居心地の悪さだ。
まさに、リトルツリー創業の理由とリンクしているのだが、本当に不便を感じたのだ。
リトルツリーとの出会いは前職の小売店でリトルツリーのキッズコーナーを利用していたこと。
毎日毎日子どもが夢中で遊び、帰りには「帰りたくない」と泣き叫ぶ様子を見ていて、安心して遊べる場所、周りに気をつかわないで良い場所、次第にそんな場所を自分も作りたいとの気持ちが高まってリトルツリーに入社することになった。
個人的にリトルツリーに入社するにあたって、ある映画のワンシーンを心に留めている。
それは「ユー・ガット・メール」という映画で、ベタな恋愛映画ではあるのだけれど、その中で出てくる大型書店の児童書コーナーでのワンシーンである。
メグ・ライアン演じる小さな児童書専門店店主が、経営危機に追い込まれる原因となるライバル大型書店の児童書コーナーへ足を踏み入れたとき、子どもも大人も一緒になって、床に座ったり、寝そべったり、ドリンクを飲んだりしながら本を読み、それぞれ思い思いの時間を過ごしている様子を目にした。
ライバル大型書店のことをただ金にものを言わせた何の魅力もない本屋だと決めつけ、かたくなになっていた感情がゆっくりほどけていくようなシーンでとても素敵な雰囲気が漂っているのだ。
書店とキッズコーナーは違うのだけれど、入社当時そんな素敵な場所が作れるようになりたいと思い、大切にしているイメージなのである。
レンタルキッズコーナー「リトルツリー」とは
「あんしん・安全・清潔」をコンセプトにしているリトルツリーのキッズコーナーは、カーディーラーのショールームや、クリニック、保育所などを中心として、また最近ではブライダルや企業イベントなど期間限定のキッズコーナーとしてもご利用いただいています。
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4ヶ月ごとのおもちゃ交換とクリーニング
遊具、おもちゃ、絵本は、全て4カ月ごとに新しく交換し、キッズコーナー全体の除菌クリーニングも行い、まるで模様替えしたように新鮮でいつでも清潔なキッズコーナーをお届けしています。徹底したクリーニングとリペア
回収した遊具やおもちゃは、ママスタッフの細やかな目線で安全チェックをし、専用の殺菌灯器で目に見えないウィルスを滅菌します。徹底したクリーニングと創業より培ったリペア技術で新品同様に蘇らせ、常にあんしん・安全・清潔な状態を維持しています。「木」へのこだわり
「木」にこだわる理由は、汚れたら削り、壊れたら修理をする事で繰り返し再生する事が出来る持続可能な素材だから。汚れを削り落とし、世界一安全なベンジャミンムーア社のエコペイントを施すことで遊具やおもちゃを新品同様に蘇らせています。五感を刺激するキッズコーナー
指先を刺激する木製知育玩具を豊富に揃えているので、考えながら長時間集中して遊ぶ事が出来ます。リトルツリーのデザインは、キャラクターを使わず、日常に触れているものを抽象的に表現し、子どもが自由にストーリーを想像できるワクワク空間を作り出しています。
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入社してみて感じたこと
入社前に実際に見て触れていたこともあり、リトルツリーのキッズコーナーは「かわいい」「本格的」「笑顔をつくる良い仕事」という印象を持っていた。
もちろんその世界観を作っている背景に、大変なことや気づいていないことがたくさんあるという想像はしていたけれど、これほど手間がかかり、これほど大変で、これほどこだわりが詰まった奥が深い世界なのだということに、入社してから日々気付かされていて、それは今になっても続いている。
特に実感したことは、子どもを遊ばせる場所、キッズコーナーに対してまだまだ意識が低く、他の面を優先しキッズコーナーは後回しになってしまっている企業(担当者)が多いということ。
そこがとても悩ましく難しいところではあるのだけれど、一方で子どもがいるママやパパの意識は高まってきていて、子どもと安心して居られる場所なのか、清潔なのか、親子一緒に楽しめる場所なのかを判断する目が厳しくなっている。
そのことがキッズコーナーに携わるものとして希望であり、やりがいを感じられるところでもある。
大変だったこと
リトルツリーは「木」にこだわったキッズコーナーである。
汚れたら削り、壊れたら修理をする事で繰り返し再生する事が出来る持続可能な素材だから。
汚れを削り落とし、新しくペイントを施すことで遊具やおもちゃを新品同様清潔な状態に蘇らせることができるから。
この他にも「木」にこだわる理由はあるのだけれど、特にこの2つは大事にしている。
しかし、この想いを実際に体現するためには、やはりとても大変で手間がかかり、リトルツリーで働いてきて振り返ってみると最初の2年間くらいが肉体的に大変だった。
なぜかというと、すべて手仕事で行っているから。
小さな子どもが触る遊具やおもちゃだから、壊れている部分や壊れそうな部分は無いか。ささくれだった部分は無いか。などなど手仕事でしか気づくことができないのだ。
アルコール除菌した後に、殺菌灯器で滅菌処理をする。
チェックをしながらサンドペーパーで、表面の汚れを削り落とす。
エコペイントで新たにペイントし、さらにコーティングをする。
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工房でこのリペア作業を施し、お客様のところへ運び、キッズコーナーのクリーニングと遊具、おもちゃの交換をする。
ひたすらこの繰り返しをしている。
おもちゃはなんてことないが、遊具は重いものもあるので力も体力も必要なのだ。その中でも工房で大きな遊具の汚れをサンドペーパーで削り落とす作業。
これが一番きつい。
最初の2年くらいは力の抜きどころも確立していないし、繁忙期には相当な量のリペア作業があり、常に体中がバキバキで、整体の先生が言うには特に腕がいつ腱鞘炎になってもおかしくないという状態だった。それも両腕である。
肉体的には相当きつかった。
きつかったけれど、全く嫌にならなかった。
それはやはりこの仕事に魅力を感じていたからなのだろう。
子どもが楽しそうに遊んでいたり、それを見る大人も嬉しそうだったり。
そんな場面を実際見たり、想像したりすると自然とワクワクしてくる。
特に自分の場合、前職でリトルツリーのキッズコーナーを利用していて、毎日その光景を目の当たりにしていたことが大きいのだろうと感じている。なんだったら、リトルツリーで働く人よりも確実に見ていたはずだから、その光景が焼き付いている。
激動だった3年間
受け入れられていく実感
入社した時期くらいから、リトルツリーは常設のキッズコーナー利用だけではなく、イベントでの利用が徐々に増えてきた。
ブライダルや企業イベントなど多いときには月に2~3回週末にリトルツリーのキッズコーナーがいたるところで登場していた。
実際に体験してくれた家族や、リトルツリーを採用してくれた方々に満足して頂けた結果として、徐々に広がっていったのだと思っている。
なにせ、特別なイベントだからと、せっかくなら精神でいろいろやりすぎてしまう(特に社長が・・それも進んで・・・)
だからこそ感動してもらえたのだろう。
やりすぎだなとはいつも思うのだけれど、喜んでもらえるならと結局みんな一緒になってやりすぎに加担してしまうのだ。
喜んでもらえることが嬉しいというのはもちろんなのだけれど、自分たちもやりすぎと思えるくらいやることに、満足感や達成感も感じているのが正直な気持ちでもある。
コロナとの並走期間(現在進行形)
常設のキッズコーナーやイベントでの利用が順調に増えてきて、勢いがある時期に携われていることに喜びも感じていた。
そこにコロナウィルスが現れた。
ご多分に漏れずリトルツリーもその影響を受けている。
コロナが拡大して約2年間イベントごとはもちろん無くなり、常設のキッズコーナーでも一旦閉鎖するところ、おもちゃは利用しないところ、残念ながら解約となってしまうところもある。
苦しいし、厳しい。
いろいろ悪い考えばかりが頭に浮かんできていた。
そんなときお客様に気付かされたことがあった。
もちろんコロナ感染対策として、いろいろな新しい取り組みもしている。
しかしなにより「あんしん・安全・清潔」を維持するため当たり前に長年変わらず手間暇かけて除菌作業やリペア作業をしていること。
取ってつけたような対応ではない、やり続けた実績にこそ信頼が生まれるということだ。
コロナ感染拡大している時期に、なんと驚くことに新しくリトルツリーを採用して頂けるお客様がちらほらと現れた。
苦しい状況だったからこそ、新しい何かを探し続けていたのだけれど、自分たちでは当たり前だと思っていたこと。そこに魅力を感じてもらえたのだ。
とても驚いたし、自信も持てるようになった。
やはり、必要な事業なのだとあらためて実感することもできたのである。
嬉しい出来事
苦しい状況ではあるのだけれど、常に希望を持って今はなんとかこの危機を乗り越えようと日々邁進している。
不思議なもので自分たちが不安を抱えながらも自信と希望を持って進んでいると、いろいろな嬉しいことにも出会えたのだ。
リトルツリーの新しい衛生面での取り組みに反応して、お客様も進んで消毒機器を揃えたり、ご利用ごとにおもちゃの消毒などをして、リトルツリーとお客様で一緒に安心できるキッズコーナーを作り上げてくれていること。
リトルツリーのデザインや空間づくりに触発されて、装飾物や展示品を楽しそうに作り、それを嬉しそうに教えてくれること。
ブライダルなどイベントの依頼も徐々に復活してきていること。
なによりお客様のキッズコーナーに対する意識の変化をリアルタイムで感じることが出来てとても嬉しい。
今何を想うか
苦しいこと、嬉しいことをこの短いリトルツリー生活でたくさん経験出来ている。
この経験を経て個人的に今何を想うか?
まずは、キッズコーナーで遊ぶ子どもの笑顔、それを見る大人の笑顔を今後も変わることなく生み出し続けていくこと。
リトルツリーを選んでくれるお客様が誇れるキッズコーナーを作ること。
もう一つは
リトルツリーは「木」にこだわり、ものを大事にして使い続けること。
それは、次に遊ぶどこかの誰かに繋いでいくということ。
映画「トイストーリー3」最後の場面を勝手にリンクしてイメージしている。
おもちゃの持ち主であるアンディが、使わなくなったがしかし大切な思い出のつまったおもちゃを、小さな子にあげる。
物質的なおもちゃそのものというだけでなく、その思い出や想いごと受け継いでいる。
リトルツリーではおもちゃをプレゼントはしない。
少し意味合いが違うのはわかっているのだけれど、今まで遊んだ子ども達の思い出に、楽しんでほしいと手間隙かけた想いを乗せて、次に遊ぶどこかの誰かに受け継いでいく。繋いでいく。
ぬくもりとして受け取ってもらえるように。
だいぶ概念的で実際は感じてもらえないようなことなのかもしれない。
でもそんな想いを込められるのがリトルツリーという仕事なのだ。
これからも正面から向き合っていきたいと思っている。