『オッペンハイマー』をアメリカの映画館で観て感じたこと。
映画『オッペンハイマー』を観た。
オッペンハイマーは原爆の父と言われる科学者で、彼の伝記的映画。
原爆を作った人の映画は観たく無いと思っていたのだが、「日本では公開が決まっていない。公開するかもわからない」と知り、見れる環境にあるのなら日本人として見ておくべきかもと考え、観ることにした。
一言では語れない映画&英語が難しく、全部は理解できていないけれど、原爆実験のシーンでは涙が出た。
映画の流れ的には、「やったー!実験成功ー!」という感じでみんな大喜び!ガッツポーズ!達成!!というシーンなのだけど。
映画館の中でこのシーンで泣いていたのは私くらいだったから、やはり私が日本人だから泣けたのかもしれない。
戦争はどっちもどっちだから、決して、日本は被害者、という意味ではないし、そういう感情ではない。日本軍も色々酷いことをしていたし。
ただ、子どもの頃に見てトラウマ状態になった『はだしのゲン』をはじめ、『火垂るの墓』『黒い雨』、それから被爆者の方達のドキュメンタリー、広島、長崎の平和公園のイメージなど、過去に見てきた、原爆による惨状の記憶のようなものが蘇り。そんなにも殺傷力の高い爆弾の実験成功に大喜びし、お祝い騒ぎをしているシーンを見て、人間が潜在的に持つ暴力性に恐怖を感じた。
陳腐だけれど、暴力は本当に嫌だ。
「戦争を早く終結させるため」「祖国を守るため」色々理由はあるだろうが、どんな理由であれ、暴力は暴力であり、憎しみと悲しみしか生まない。
そして大事なことは、暴力というのは、決して戦争の場面だけにあるのではないと言うこと。
私たちの日常で、家族と口論する時。自分責めをする時。そこには暴力がある。
自分の頭の中で自分にダメ出ししたり、誰かと比較したり、批判する思考が生まれることは、小さな暴力かもしれない。しかし、このような暴力的思考が、何かのきっかけに、戦争のような大きな暴力につながるのだ。
私は、何があっても、どんな理由でも暴力には加担したくない。
非暴力で、優しい、平和な世界を生きたい。
そのためにできることは、自分の中の暴力思考をなくすこと。毎日の生活の中で、非暴力を常に選択すること。
自分責めをしないことは、自分だけの問題ではなく、世界の平和に関わる問題なのだ。
日々の非暴力のトレーニングとして、最近学び始めたNVC(非暴力コミュニケーション)はとても役に立つ。
毎日、毎瞬、自分の思考をチェックすること。
暴力的思考を自分の思考からなくすこと。
特に、自分責めをしていることに気づいたら、やめること。
私たちは、常に、今、この瞬間、暴力ではなく非暴力を、紛争ではなく平和を、分離ではなく調和を選択することができる。
世界の平和は、一人ひとりの心の平和から、実現する。
【参考】
NVCの書籍
https://amzn.to/3Kl3H0d
NVCについての動画(創始者マーシャルのインタビュー。画質悪いですが)
https://www.youtube.com/watch?v=6b7dRoTZI6s&t=0s
NVC創始者マーシャルの講義の動画
https://youtu.be/cj7aR6yxNfg