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大学院でのAI研究について【11月までの振り返り】

こんにちは、IT系大学院生のYukiです。

研究が始まって約4ヶ月が経ちました。

4ヶ月とはいえ大学院生らしく、学期末の膨大な課題と目を回す難易度の期末テストに圧倒され、それらが完了したのがつい一週間前です。
実質の研究時間は3ヶ月も経っていないのではないかと思います。

始まって数ヶ月のこの研究ですが、実験フェーズ開始直前に私のチームから早くもリタイア者が2名発生し、粛々と対処にあたってます。

研究が期末テストで一時ストップし、実験フェーズに向けて連絡を再開し始めたここ数日でバタバタとトラブルが発生している状態です。

※注:海外(豪)大学院でのIT関連研究を目指す学生の方のため、私の研究のありのままを書いています。海外院でのチーム研究にキラキラした幻想を抱く学生の夢を粉々にする劇薬にもなり兼ねませんので、ご注意ください。


実験フェーズ前にリタイア?院の所属研究チームから離脱することはできるの????

私自身も認識が甘かったといいますか、院の研究チームの事情を存じ上げていなかったのですが、どうやらよくあることみたいです

授業ではチームだけ組んでグループ課題の成績にただ乗りする学生がかなり多いのですが、研究科目も例外ではなかったらしい。そんなバカな。

少なくとも今季だけでも学生のチームだけでなく、教授持ちのPh.D生徒と混合の研究チームからも複数人の脱落(落単、自主退学)者がいると伺いました。
機械学習のクラスで隣の席に座っていた友人が属していた研究チームは、期末テスト前の最終課題結果発表後から、メンバー全員と音信不通で音沙汰がないらしいです。来学期の3月までは教授も対応はしないだろうと絶望していました。


大学院に通う学生は誰しも研究を楽しんでいたり、Ph.Dを見据えている訳ではありません。

中にはIT業界と関係ない領域からキャリアチェンジのためもっといい転職をするためまだ就職はしたくないから何となく院に進学した者や、中には永住権の獲得を目指しているだけ(ITはおまけ)の学生もいます。彼らは当然ですが、GPAは気にしていません。多めに履修して楽に取得できる単位を取捨選択し、最低限の成績が取れていればOKです。課題の結果が悪く単位取得が危うい科目は、期末テストにすら出席しません。

特に永住権取得を目指している人は、学生ビザ適応中にIT大学院生という肩書きで仕事を見つけることが目的だったりするので、授業すら出席していません。
エンジニア等のフルタイムの仕事を見つけて大学院を辞めていきます。(韓国人友人も、昨年の卒業生ビザ適応年齢引き下げにより、こちらの路線に切り替えました)

当初そのような事情も汲んで、なるべく共に研究を楽しんでくれる熱意を重視しチームメンバーの選考を行いました。特に私たちは修士論文を書き上げる他に、結果次第で査読付きの然るべき場所への提出も考えているので、メンバー了承の条件として冬休みの活動があることも事前に告知していました。

幸か不幸か成績面もメンバー選定の条件においていたため、正確には私のチームからは落単、退学者は出ていません。

しかし期末テストや最終課題の提出時期を汲んで「1ヶ月」という長い期間で余計な進捗管理をしなかったのが悪かったようで、蓋を開けると期末試験後の実験フェーズに向けての個人タスクは私以外全員が納期に間に合いませんでした。

うち2名は「インターンシップ/アルバイトでやっぱり研究に参加できなくなった。」と納期直前にメッセージを私に送り、そのまま来学期開始の3月まで不参加が確定しました。

「そりゃいい会社に採用が決まったら、私(研究)を優先する必要ないもんね、、、。」

面倒くさい彼女のように拗ねる気持ちも僅かにありました。ただ私は、もし彼らが研究と就職の機会で迷っているなら、彼らの望む未来へ背中を押してあげるべきだと思っています。だって私たちは、それぞれが望む未来のために大学院で勉強しているのだもの。チームメンバーとしては、気持ちよく背中を押したい。

インターン頑張ってくれ!!!!!

残り3名は継続意思があるので研究面での心配事はなさそうですが、直近の出来事だと期日を通達してあったにもかかわらず、いつの間にか彼らで期日を引き延ばし新しくスケジュールを組んでおり、進捗を尋ねた際に今後のスケジュールの逆通達されるという珍事件がありました。

納期は25日で実験スタートは12/1。どうして31日から作業を開始するんだ。聞いてないぞ??
全員が間に合ってない状況を鑑みて、スケジュール練り直し。

初期2ヶ月くらいはスケジュールマネジメントを別メンバーに任せていたのですっかり忘れていましたが、割とこれくらいの納期や責任の緩さは許容範囲なのかもしれませんね。
通常授業のグループ課題でも、納期に間に合う人の割合は30%(日本人とベトナム人)くらいでした。

他学科や他大学でも似たようなことを聞くし、超一流大学ではないにせよ世界ランクも決して悪いわけではなく、入学も簡単じゃないので、こちらの大学独特の価値観でしょうかね?
それとも社会人経験の有無?
日本の大学院でこういう事が起こると思えないし、、、うーん。日本でも学生間でよく起こるの????

一年前の私ならこの時点でも多少絶望してましたが、様々な院PJの修羅場や惨事を経験した今となっては、そこまでパニックにもならず冷静に対処しています。自分の提案した研究なので何も感じないと言われると嘘だけど、もっとやばいグループワークが過去に幾つかあったので全然OK。

なんと言っても、チーム作業で一番厄介な問題は人間関係トラブルです。チームの愚痴箱になって他人の怒りを鎮める作業以上に無力感や申し訳なさを感じるものはありません。それが一切起こっていないのなら、四捨五入して十分平和な研究チームと言えるのではないでしょうか。

(ただ、楽観的に見て対策を講じないわけにはいかないので、チームの空気を悪くするような事は絶対にせず、私が監督できる範囲でバッファを倍見積もるなどしてスケジュール調整をしていく予定です。)

次は順調に実験フェーズが進んでいるという報告を書きたいと思います。

Yuki


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