横浜Love Story 第4話 "恋愛小説で学ぶ中国語"
現在、amazonで発売中の「横浜Love Story・恋愛小説で学ぶ中国語」は、小説の会話部分に中国語を織り交ぜた新しいカタチの中国語教材です。
物語に登場する中国語会話を通じてネイティブの使い方を学んだり、日常よく使われる簡単会話を学ぶことができるなど、楽しみながら中国語を学びたい方、外国人との恋愛や年の差恋愛に興味のある方などに必見の内容となっています。
ここでは、第1章から第3章までの全15話の内、中国語解説を除いた本文ストーリーの一部をご紹介します。
--- これまでのあらすじ ---
主人公の草間圭は横浜のとある会社の企画部で働く独身33歳。ある日、彼の部署に台湾人の新入社員が配属されてきた。彼女の名前は加藤香織(日本語名)。日本人の母を持つ彼女は、日本語ペラペラの23歳。この10歳も年の離れた新入社員に、草間は一目惚れしてしまったのである。
(著者:りとるけい/中国語監修:YayaLee)
◇ ◇ ◇
第4話 はじまりはマグニチュード5.0
その日は朝から本社ビルで会議があり、俺は紹介も兼ねて加藤を連れて会議に出席していた。
午後4時。会議が終わって本社ビルの17階からエレベーターに乗り込んだ時、その事件が起こった。
--- あれ??
10階の途中あたりで突然ガタンという大きな音がし、次の瞬間エレベーターが止まった。そしてそれと同時に、ガタガタとにぶい音をたててエレベーターが大きく揺れ出した。
--- な、なに???
--- 地震だ!
次の瞬間照明が突然消え、真っ暗になった。
キャー!!
加藤が悲鳴をあげて、俺の腕にしがみついてきた。
「地震(ディージュン)!」 ※地震だ
「加藤、落ち着け」
「好可怕(ハオクーパー)!」 ※こわい!
「俺につかまれ」
「草間さん、好可怕(ハオクーパー)!」 ※こわい!
「大丈夫だ、しっかりつかまれ」
揺れはますます大きくなり、エレベーターはガタンガタンと大きな音を立てながら跳ねるように激しく揺れ出した。
「草間さん!!!」
「加藤、しっかりつかまってろ」
俺は暗闇の中、手さぐりで手すりを探し、片手でそれをつかみ、もう片方の手で加藤の腕を引っ張った。加藤は壁づたいに這うようにして俺に体を預け、俺は片手で加藤の体をしっかり抱きしめた。
「草間さん、好可怕(ハオクーパー)!」 ※こわい!
ものすごい恐怖が二人を襲った。
(やばい、やばいぞ、マジで!!!)
キャーー!!!
揺れはますます強くなるようで、加藤の声が俺の耳元で響き、恐怖はピークに達していた。
俺と加藤は腕をつかみあいながらお互いを支えあうようにして床にしゃがみ込み、低い姿勢のまま抱き合い、しばらくすると徐々に揺れが収まってきた。
--- わずか数十秒の出来事だった
揺れが収まってくると同時に、暗闇の中に非常灯がぼんやりと灯っているのに気づいた。それを見て自分たちが無事であることにあらためて気づき、ふたりは床にしゃがみ込んだままぐったりとしていた。
加藤は、まだ小さく震えていた。
俺は、抱きしめている加藤の体からこわばった手をほどき、そっと引き離そうとした。
と、その時、
--- あのっ・・・
加藤が涙ぐむような小さな声でささやいた。
「どうした?」
「あ、あの・・・草間さん・・・」
俺は、怯えている加藤の顔を覗き込むようにして見た。
「加藤、だいじょうぶか?」
「あ、はい・・・・あの・・・あと、ほんの少しでいいので・・・」
「ん?」
「手を・・・離さないで・・・そのままにしていてもらえませんか・・・」
加藤は、唇を震わせながら、そんな風に言った。
俺は、もう一度加藤の肩を引き寄せるみたいにして抱きしめ、右手で加藤の頭を撫でると、加藤は腕に力を込めながら俺の腰のあたりに手をまわし、肩に顔をうずめた。
(やばい・・・)
俺は非常事態であることも忘れて興奮してしまった。
「あの・・・わたし・・・子供の頃、台湾で大きな地震にあったことがあって・・・」
加藤は、そう言って俺の胸に顔をうずめるようにしながら、泣き出してしまった。
「もう大丈夫だ・・・」
俺は、加藤の頭を撫でながら肩を揺するようにしてもう一度強く抱きしめた。
やがて、スピーカーから管理センターの男性の声で安否の確認と復旧状況の説明があり、ほどなくして照明がパッと灯った。
そ の瞬間、加藤は俺からサッと身を引くようにして離れ「不好意思(ブハオイースー)(すみません)」と恥ずかしそうに言った。
「沒關係(メイグアンシー)・・・」 ※大丈夫だ
俺が中国語でそう答えると、加藤は一瞬「え?」と言ってものすごく驚いて俺を見た。
「哎(エイ)!你會講中文嗎(ニーホイジャンチョンゥェンマ)?」
※えっ!中国語喋れるんですか?
「不(ブー),一點點而已(イーディエンディエンアーイー)」
※いや、少しだけだよ
「くさまさぁん~~~!!!嚇我一跳(シァーウォーイーティアオ)!」
※びっくりしましたよ!
その瞬間、加藤はものすごい安堵の表情を浮かべて俺に抱きつくみたいに近づいてきた。
「うわ、加藤、駄目だ駄目だ」
俺は天井についている監視カメラを指差した。
「あっ・・・」
加藤は、それを見てすぐ事態を察し、ぱっと離れて「不好意思(ブハオイースー)(すみません)」ともう一度言って、恥ずかしそうに下を向いた。
◇ ◇ ◇
第4話では、まだ中国語会話部分が少ないですが、主人公の中国語会話能力向上にあわせて、中国語部分が増えてきます。また、書籍では、会話に登場した中国語に関連するひとくち表現等を多数紹介しています。
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恋愛小説で学ぶ中国語【繁体字】『横浜Love Story』総集編(第1章~3章)
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