つまらないし映えない、でもそれが日常。
年末の寝込んでた時にふと思い出して、年始から使い始めたアプリがある。
「インスタ疲れ」っておかしいよね?ということに気付いた人たちが作ったdaylyyというアプリ。
このアプリに出会ったのは、もう1年半以上も前なんだけど、相変わらずそんなに盛り上がっていなくて、だからこそ心地が良い。
定期的に使っているというよりも、ふと思い出したタイミングで飽きるまでの数週間・数か月使っているという感じ。
このアプリの特徴は、写真をUPするSNSであることには変わりないんだけど「カメラロールから選ぶ」という選択肢がない。
だからこそ、たーーーくさん撮ったおしゃれな写真からベストな1枚を選ぶこともできないし、インスタを見ていて疲弊する文字だらけの投稿もできない。
アプリを開いたら、写真を撮るしかない。で、UPするだけ。加工もできないし、フィルターもないし、文字もいれられない。
しかも使っている人の写真を見ていると、もはやハッシュタグも付けていなければ、キャプションも書いていない人も多い。単純に「撮って出す」というそれだけの使い方。潔い。
2010年くらいのインスタの世界観と言ったら良いかもしれない。キラキラしている自分を見せびらかす場所ではなくて、単純に「お、良い感じ」と思ったから写真を撮って、構図とか角度とか難しいことを考えずに載せてたあの頃。
ここ2年間の記録を見返したら「インスタに載せるほどではない、なんてことない日常」がぽつぽつとアプリに残っていて。あ、なんだか良いなぁと。
他の方の投稿を見ていても、インスタでは見ないような写真がたくさん。
後から見て懐かしいなぁって思うのは、作りに作り上げた現実離れした作品のような写真ではないのかもしれない。
そんなことを思って、そして最近自分がインスタ疲れしているのにも気づいているからこそ、お正月からこのアプリを再開してみた。
目標としているのは「ほぼ毎日、つまらないほど何気ないシーンを切り取る」ということ。毎日というと自分の首を絞めるから、ほぼ毎日。
「あ、これインスタに載せられそう!」というシーンではない。狙っているのはおしゃれなカフェにいるシーンではなくて、オフィスの窓から毎日みている景色だったり、ただの散歩に出かけている時の様子だったり。
「当たり前」に見ている世界が、実はすごく貴重なのかもしれない。「毎日のつまらない景色」だって、実は今しかないのかもしれない。
そう思って、「できるだけどうでもいい写真」を集める場所として使ってみている。今のところ、面白い。
自分の中で「あ、これはどっちかというとインスタよりだったなぁ」と反省することもある。「あ、これは本当にどうでもよいなぁ」と思うこともある。
でも、その自分とのやりとりも含めて、なんだか、楽しい。別にSNSにアップする必要もないのかもしれないくらいの、何気ない映えない日常。
ちょっとだけでも、集めてみませんか。多分、後から見て、懐かしい!ってなるのは、そんな写真じゃないかと。