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カラフルな、クローゼット。

異国暮らしも長くなってきて、夏=お別れという仕組みにも慣れた気がする。

欧州では9月から新学期が始まるから、7月に引っ越し、8月に新天地で暮らしを整え、9月からフレッシュなスタートという形をとることが多い。

でも、今年の夏は、とくに親しかった友達が去るので、ちょっと打撃が大きいなぁ。そんなことを思っていた矢先。

「不要なものをまとめた部屋があるから、良かったら覗いていって。子供のおもちゃとか、ちょっとしたものが色々あるから」

お友達の家を訪れていた時に「いらないもの部屋」を紹介された。「あぁ、本当に去るんだなぁ」と寂しい気持ちになりながら、せっかくだからと覗かしせてもらう。

おや、なんだかこれはかわいい。そして、彼女っぽいな。

とても背の高い彼女が、すらっと着こなしていそうなサーモンピンクのチュニックがクローゼットにかかっていた。

おそらく10cm以上背の高さが違う私たち。私が試着してみたら、ワンピース風。

「わーー、人が着ていると全然雰囲気が違って面白い!いいね!似合ってるよ」

自分では選ばない明るい色合い。でも涼しくて、さらっとしていて、心が躍る感じ。

これ、思い出に連れて帰るね。いくら?
んー、あなたにはお世話になったからゼロ!
いいの?ありがとう。たくさん着るね。

そんなわけで、何かとブルーやネイビーが並びがちな私のクローゼットに、背の高い金髪レディが着こなしていたサーモンピンクが加わった。

ちなみに、褒めることを忘れないジェントルマンな息子は「マミー、かわいいー。だれにもらったの?いいなー」と褒めてくれた。

そして、また別の日。

もう一人の去ることが決まっているお友達を訪ねていたら、これまたどっさりとお洋服が出てきた。

妊娠前の服が残っててさ。産後に着ようと思ってたけど、授乳服で過ごしているうちに、次の妊娠しちゃって。双子を生んだ後は、どうがんばっても入らなくなったよね。ははは。減らしたいから、ぜひ見ていってー!

そんなお洋服がたくさん。ルワンダに来る前はアジアにいたこともあって、タンクトップや短い丈のスカートが多め。トロピカルな国にぴったりではないか。

自分では買わないようなタンクトップ型のワンピース。これなら授乳もしやすいし、サマーだし、何より着心地が良さそう。自分では選ばないワインみたいなパープルも素敵である。

はたまた日本にいたら30代半ばにはちょっと丈が短い?と思いそうな、でもドット柄がかわいいワンピース。そう、私はドット柄には目がないタイプ。

そんな素敵なワンピースたちをお譲りしてもらった。嬉しい!

これまたクローゼットが、カラフルになってきた。

しかも、大好きな人たちの思い出つき。ありがたいね。

***

ルワンダでお洋服を買うことはなく、こうやって人の手から手を渡って「お譲り」しあうことが多い。

歩けば服屋さんがあって、プチプラも溢れていて、当たり前のように「新品」をお店で買う生活を離れて早6年。

「欲しいものないなぁ」なんて言いながら、でも何か買わなくちゃと焦っていた東京でのお洋服探し。

そんな生活を離れた今、ここ数年では自分で買った服は限りなく少なく、譲って頂いたものの方が多いかもしれない。

「とりあえず買った会社に行くための服」でクローゼットがいっぱいだった一昔前。

でも「お友達から譲ってもらった、自分では選ばないような雰囲気の服」の方が、よっぽど自分の気持ちを持ち上げてくれることに気付いた。

こうやって、少しずつ、自分の好きとお友達の思い出とがブレンドされながら、私のクローゼットは、カラフルになっていく。


▼ちょっと前も記事を書いたよなと思って探したら、まさに1年前。当時は「マタニティウェア」を譲りうけていたのでした。


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asa|minimalish life
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