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【カラダ】着地と離陸(足の話)

歩くとは、ほとんどの人にとってとても基本的な動作です。
基本的な動作とは、あまり考えずにできてしまうので、丁寧さに欠けてしまいます。

人は二足歩行なので、地面に接地しているのは足の裏だけです。歩くという動作が雑になるとは、足の裏が雑に地面に接地するということでもあります。

足の裏の接地が雑になると、足首、膝、股関節、腰、肩、首などどこにでも負担がかかります。肩の痛みに対して下半身のトレーニングをするだけで改善することは珍しくありません。

足首の痛み、膝の痛み、腰の痛み、肩の痛みが丁寧に歩くだけで改善される可能性があるのに、またスポーツや芸術のパフォーマンスだって格段に良くなる可能性があるのに、歩行改善に目が向かないのはなぜでしょうか。あまりにも「基本」すぎるからかもしれません。

音を立てずに歩く
音を立てずに着地する

それを意識するだけでもOKなのですが、せっかくなのでここではしっかりと解説をします。

その前に、着地は「かかとから着地」「つま先から着地」の両方があります。どのような動作をしているかによって決まります。
例えば、普通に歩いている時は「かかとから着地」。ジャンプからの着地は「つま先から着地」。

離陸は(私の知っている限り)、必ず「つま先で離陸」します。


*MP関節とは - 「足の指-MP関節の動き(おさらい)」を参照してください。


かかとから着地

①かかとが床に接地
②かかとから中足部に体重を移動させる
 *スネの骨が前方に移動していく
③MP関節に体重を乗せる
④指全体に体重を乗せる

① かかとの後方→かかと全体 の順に接地する
 - かかと全体を一気に地面につけるわけではない
 - かかと“全体“なのに、内側ばかり、外側ばかりになっていないかを確認する

②かかとから甲の辺りに体重を移動させるとスネの骨が前方に移動してくる
 - スネの骨が移動するのを意識をして、確認してみましょう。
   それだけでも重心移動がスムースになります。

③MP関節を地面に接地させる
 - MP関節が地面に接地する瞬間、伸展位にある
   練習では、大げさに伸展させて接地させてみるといいでしょう

④指が地面に接地する
 - 指は“伸びたまま“静かに地面に置かれる
 - この時、かかとをしっかりと地面に接地させておくこと
 - そして、足の裏全体に体重をのせる

すぐにかかとを持ち上げようとしたり、足の甲がふらっと動いてしまうはダメです。
足の裏全体が地面に吸い付くような瞬間をしっかり感じましょう。


つま先から着地

①つま先が地面に接地
②MP関節を支点にゆっくりとかかとを降ろしてくる
③中足部を地面につける
④かかとを地面につける

①つま先(指)が地面に接地 “地面をキャッチ“
 - MP関節は伸展(指が伸びたまま)地面に着く
 *地面に指がついた瞬間に、MP関節が屈曲する方向に力が入る(注A)

②③MP関節を支点にゆっくりとかかとを降ろしてくる(まだ降ろさない)
 - 丁寧に行う

④かかとを地面につける
 - この時、つま先が地面をキャッチした力はそのまま残っている
 - 足の裏全体が地面に吸い付くように立つ

重心移動は起きないため、上半身が後方に揺れ動くことはない。
着地の時に膝を曲げる場合(ジャンプからの着地など)は、かかとが地面に接地すると同時に膝が曲がる

<注A>
下の動画のように、つま先で地面を「はらう動作」をしてみましょう。犬や猫が土を足で払うようなイメージです。足首を動かすのではなく、つま先で行うのがポイントです。

MP関節が伸展して地面に着いている間はずっと、この「はらう力」が働いています。実際指は地面にあるのですが、いつでもすぐに「はらう動作」ができるように力を入れておきます。

バレエの動画を見ると、一流のダンサーは「着地」がとても丁寧です。
また世界のトップアスリートのトレーニング風景を見ても、ハードなトレーニングほど着地がしっかりしています。


離陸

足の裏全体が床に吸い付いた状態から
①スネが前方に傾く
②MP関節を支点に、かかとの後方が地面から離れる
③MP関節を支点に、かかと→中足部の順に地面から離れる
④MP関節の屈曲の力が働き、指が地面から離れる

①スネが前方に傾く
MP関節を支点に、かかとの後方が地面から離れようとする
 - MP関節が支点にならないと、かかと全体が一気に地面から離れる
   すると空中でバランスが崩れる

③ MP関節を支点に、かかと→中足部の順に地面から離れる
 - MP関節が強制的に伸展される
   この力で、かかとと中足部が地面から離れていく

④ MP関節の屈曲の力が働き、指が地面から離れる
 - 強制的に伸展されたMP関節が、屈曲方向に働く。
   この時に地面を“蹴る力“が生まれる
(注Aと注B「不適切な離陸」の動画を参照)

<注B>不適切な離陸
MP関節が支点にならないと、ペタペタ歩きになります。
“推進力“が生まれないので、腰で体を前に押し出すことになるため、腰痛になったり、上半身が力みやすくなったりします。

余談ですが、陸上選手(だけではないですが)の走る姿を後ろから見ると、靴の底が丸見えになります。横から見ると、かかとがお尻にぶつかりそうです。
これは、④の“地面を蹴る力“が働くからです。
この力がないと、歩いている時つまづくことが多くなると私は思っています。足(膝)が上がっていないからだと言う人も多いですが、膝を持ち上げる努力をするより、蹴る力を強化した方が効果的だと思います。


【足の裏を柔らかくする】

*自己責任で行ってください。痛みがあったり不快だと感じる場合はやめましょう。自己判断できない人も行ってはいけません。

足の裏側の筋肉を柔らかくすることで、指や甲、足首が動きやすくなります。
①足の指や甲をひたすらせっせと“手を使って“動かしましょう。
②かかとに近い部分を柔らかくする
 ついつい、土踏まずばかりマッサージしがちですが、大切なのはかかとに近い部分。
 外側もしっかりほぐします。

下記の動画は、私が最近気に入って行っているストレッチ?方法です。かかとに近い部分を自分の手でほぐすのは難しいので、このように行っています。もし何が良い方法があれば教えてください。


【おわりに】

冒頭でも書きましたが、着地は「つま先から着地」「かかとから着地」の両方があります。しかし、「外側から着地」「内側から着地」は私の知っている限りではありません。もしかしたら、アイススケートではあるのでしょうか?インエッジ、アウトエッジなどの表現がありますものね。そういったスポーツなどの特殊な動作はあるのかもしれませんが、基本は「つま先」「かかと」のどちらかです。

「足の裏全体が地面に接地する」瞬間は必ずあると書いていますが、これもスポーツの特殊な動作の中では「つま先だけ」といったことがあるようです。繰り返しますが、基本は必ず足の裏全体が地面に接地する瞬間があります。

少し変わったトレーニング、キャッチーなトレーニング方法、そんなものより
「基本」の「質」を上げましょう!
「当たり前」の「質」を上げましょう!

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株式会社りとるジム
www.littlegym.jp

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