創作舞『雨ニモマケズ』

「伝統と創造シリーズ vol.13」

舞う人、歌う人、奏でる人がいて、みんな声も出す。

一人一人は才を持っているのかもしれないが、それらが見事に不協和音となり台無しになってしまっている。その中でも、津村禮次郎さんの動きと声は魅力を放ち、存在感が際立っていた。

森山開次さんと大前光市さんの踊りやせりふには感銘を受けず、笑いを取るつもりらしい場面もファン向けの内輪受けという感じでまったく面白くなく、音楽や歌は一つずつの演奏や歌はよいのにそれらがごちゃごちゃに混ざることで聞きたくないノイズとなっており、照明はどぎつくて気持ちが悪く、大前さんと箏の澤村祐司さんの2人のシーンの演出意図を推測して怒りに近いものを覚えた。

能と演劇を組み合わせたよい作品は何度か見たことがあるが、能を生の舞台で見たのはたった2回ほどであり、森山開次さん演出・振付の作品を見たのは3回目くらい、宮沢賢治については本を何冊か読んだことがあるだけである。音楽についてもまったく詳しくはない。

「そういう人だから、この作品のよさがわからなったのだろう」と思う人がたくさんいるかもしれない。X(旧ツイッター)の投稿を少し見たところ、褒めているものしか見当たらなかった(下記に例を貼っておく)。観客もほとんどが熱心に拍手を送っていた。

森山開次さんのことは、もう結構前になると思うがテレビに出演し始めた頃に知って、そのときあまりすごいダンスとは思わなかったものの、高い評価を受けているようだったので数回は見に行ったのだが、今後、森山さん演出・振付の作品を見に行くことはおそらくないだろう。

作品情報

2023年8月3日(木)~6日(日)

3日(木) 19:00開演(18:30開場)
4日(金) 19:00開演(18:30開場)
5日(土) 14:00開演(13:30開場)
6日(日) 14:00開演(13:30開場)

会場:セルリアンタワー能楽堂

演出・振付 森山開次
原作       宮沢賢治 作品群より

監修   津村禮次郎
作曲   渋谷牧人

舞人   津村禮次郎、大前光市、森山開次
歌唱   福井敬
チェロ  多井智紀
箏    澤村祐司
笛    田中義和
和太鼓  高橋勅雄、高橋亮

舞台美術 倉田康治
衣装   藤崎コウイチ

チケット
A席(正面) 7,500円
B席(脇正面、中正面) 6,000円
C席(座敷・自由) 3,500円


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