『アンモナイトの目覚め』フランシス・リー監督：19世紀英国の実在の古生物学者の人生と架空の恋愛
19世紀イギリスに実在した古生物学者メアリー・アニング。女性で労働者階級ということで当時の学会からは締め出されており、その人生について細かなことは知られていない。そこから想像を働かせて、彼女の化石発掘と老いた母との日々と、そこに突如現れた裕福な既婚女性との恋を描く。
女性の自立と、身分の違いと、生きがいとする仕事と、自由とがテーマか。
当時の街並みを再現した映像が美しい。『タイタニック』のヒロインだったケイト・ウィンスレットが40代くらいの疲れきった中年の主人公を演じ、恋をして少しきれいにしているさまなど、役作りがすごそう。
シャーロット役のシアーシャ・ローナンは『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』に出演した俳優だが、その映画を見ていないにもかかわらずどことなく見覚えがあると思っていたら、13歳のときに『つぐない』に出演していた人だった。
結末はありがちな気もしたが、ラストシーンの2人の表情、まなざしも強く美しく、印象に残る。
作品情報
2020年製作／117分／R15+／イギリス
原題：Ammonite
配給：ギャガ
監督：フランシス・リー
製作：イアン・カニング、エミール・シャーマン、フォーラ・クローニン・オライリー
製作総指揮：サイモン・ギリス、メアリー・バーク、ローズ・ガーネット、ジギー・カマサ
脚本：フランシス・リー
撮影：ステファーヌ・フォンテーヌ
美術：サラ・フィンレイ
衣装：マイケル・オコナー
編集：クリス・ワイアット
音楽：ハウシュカ、ダスティン・オハローラン
【出演】
メアリー・アニング役：ケイト・ウィンスレット
シャーロット・マーチソン役：シアーシャ・ローナン
モリー・アニング役：ジェマ・ジョーンズ
ロデリック・マーチソン役：ジェームズ・マッカードル
ドクター・リーバーソン役：アレック・セカレアヌ
エリザベス・フィルポット役：フィオナ・ショウ