『シンプルな情熱』実話本が原作の、愛に溺れる男女の日々を描くフランス映画
フランスの作家による、自身の体験を基にしたベストセラー小説の映画化。
離婚して息子を育てている、文学が専門の大学教員が、ロシア大使館に勤める年下の既婚男性と性愛に溺れる物語。
男性は「異端児」と称されるバレエダンサーが演じ、せりふはフランス語や英語だった。
女性からの連絡は禁止で、男性からの連絡を待ち、女性宅で逢瀬を重ねる。
ある日男性からの連絡が途絶え、日常生活が送れなくなり、モスクワまで飛んで、男性が住んでいるはずの街の空気を吸う。
MV(ミュージックビデオ)みたいな作品だなあと思っていたら、最後の最後に登場する、主人公の女性のモノローグが、妙に示唆に富んでいた。その洞察力は、やはり文学的だ。
男女ともに裸のシーンが多く、だんだん見慣れてきて、「またか」という感覚になっていく。観客が抱くその感覚は、主人公のエレーヌの新鮮味が失われていった感覚とシンクロしているのかもしれない。
作品情報
2020年製作/99分/R18+/フランス・ベルギー合作
原題:Passion simple
配給:セテラ・インターナショナル
監督:ダニエル・アービッド
製作:ダビド・ティオン フィリップ・マルタン
原作:アニー・エルノー
キャスト
エレーヌ役:レティシア・ドッシュ
アレクサンドル役:セルゲイ・ポルーニン
2020年 第73回カンヌ国際映画祭のオフィシャル・セレクション作品
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