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台湾映画『親愛なる君へ』同性愛パートナーの残された家族の面倒を見る男性の秘密
まさか、台湾俳優モー・ズーイー(莫子儀)が出演する映画をまた日本の映画館で見られるとは!さすがSPOさん(とfilmottさん)(笑)。
モー・ズーイーさんは1981年6月23日生まれらしく、40歳になったのか・・・。指がきれいだから、ピアニスト・ピアノ教師の役がぴったり。
監督のチェン・ヨウジエ(鄭有傑)さんの過去作品『一年之初(一年の初め)』と『陽陽(ヤンヤン)』は両方とも見ていた映画だった(!)。前者の内容はよく覚えてはいないけれど。
この『親愛なる君へ』は、第57回台湾アカデミー賞(⾦⾺奨)最優秀主演男優賞/最優秀助演⼥優賞/最優秀オリジナル⾳楽賞 受賞、第22回台北映画奨 最優秀主演男優賞 受賞、第2回台湾映画評論家協会奨 最優秀男優賞 受賞したらしい。
亡くなった同性パートナーの老いて病気の母親と、パートナーと前妻との息子と同居しながらの面倒を見る男性。ある日母親が急死し、男性に疑いの目が向けられる。
冒頭の壮大な美しい景色が終盤の回想シーンへとつながり、徐々に事情が明かされる展開はとても切ない。
愛と、愛ゆえの葛藤を描いている。同性愛者への偏見も描かれるが、それが主テーマというよりは、葛藤を際立たせる要素となっている。
同性婚が合法化された台湾でも、やはりまだ一部に差別はあるのか。「血縁」ではない家族の絆を描く点で、やはり同性愛のテーマは重要だと言える。
あのワンシーンだけでR18指定なのは少し謎。基準があるのかもしれないが、もっと若い人が見てもよい映画だと思う。
最後に男性がパートナーの母親を初めて「お母さん」と呼ぶシーンにもグッとくるが、ラストシーンには胸が締め付けられ、エンドロールで流れる歌詞に涙し、同時に幸福を感じた。
「夢の中で会える」――生きているけれど遠く離れたあの人にも、もうこの世にはいないあの人とも。
原題は「親愛なる間借り人へ」という意味のようだ。
モー・ズーイーは、2008年の台湾テレビドラマ(映画のように85分1回の番組)『蓬(よもぎ)の花』(2009年日本上映)でもゲイの役を演じていた。若い!
作品情報
2020年製作/106分/R18+/台湾
原題:親愛的房客
英題:Dear Tenant
配給:エスピーオー、フィルモット
監督・脚本:チェン・ヨウジエ(鄭有傑)
出演者:モー・ズーイー(莫子儀)、ヤオ・チュエンヤオ、チェン・シューファン、バイ・ルンイン
▼映画には登場していないシーンも描かれているMV
▼映画上映後の監督と出演者たちの舞台あいさつらしい。監督に誕生日プレゼントをサプライズで渡したらしい。
▼『一年之初』予告編
▼『陽陽』予告編
▼モー・ズーイー出演の映画は何作かみているが、この『遠い道のり(最遥遠的距離/Most Distant Course)』リン・チンチェ (林靖傑)監督(2007年)では美しく撮られている役を演じている。少し変わっている作品だが。当時は20代か!台湾の有名女優グイ・ルンメイ(桂綸鎂)と共演。