『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』洞田貫 晋一朗著
2019年に出版され、アート界で話題となった本。著者は、森美術館広報・プロモーション担当者で、Twitter、Instagram、Facebookの運営も行い、フォロワー数を劇的に伸ばした。日本の美術館のSNSアカウントで最大規模のフォロワー数を誇る。
展示室の作品を「撮影可」とすることで、SNSで拡散し、日本国内の展覧会の中で来場者数が年間最多という成果も出している。
一般的なSNSマーケティングとつながる話も多いが、「アートの、ウェブマーケティングを活用した集客」の基本的なイメージをつかむことができる。
方針決めや運用体制を整えること、炎上対策などが重要だが、いろいろと試すことができるのが、ウェブ、SNSの強みだろう。
先進的なイメージのある森美術館であっても、SNSの効用を社内で説かなくてはならなかったらしい。企業が運営する館だから、会社への説明責任があり、承認を得る必要もある。
自分たちだけではなく、展示を企画するキュレーターや教育普及担当などと協力関係を築きながら、同じ目的に向けて進めていくのが大切だという。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?