イングリッシュ・ナショナル・バレエ『クリーチャー(Creature)』アクラム・カーン振付はどんな作品?
2021年9月にイギリス・ロンドンのサドラーズ・ウェルズで上演され、2022年2月にアメリカ・シカゴで上演されるらしい、アクラム・カーン振付によるイングリッシュ・ナショナル・バレエのダンス『クリーチャー(Creature)』が気になる。
日本の映画館で舞台映像を上映してくれないかなあ。
カーンと同バレエ団による『ジゼル』がとてもよかったので、見てみたい。『Dust』もよかったし。
『Creature』というタイトルから、『フランケンシュタイン』が原作か?と思ったが、ゲオルク・ビューヒナーの戯曲『ヴォイツェック(Woyzeck)』を基に、メアリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』の要素も加えた作品らしい。
イングリッシュ・ナショナル・バレエのサイトでは、下記のように説明されている。
In a dilapidated former Arctic research station, the Creature has been conscripted by a military brigade into a bold new experimental programme. He is being tested for his mental and physical ability to adapt to extreme cold, isolation and homesickness; vital qualities in mankind’s proposed colonisation of the ‘final frontiers’ on earth and beyond.
クリーチャーという人物(?)が徴兵され、北極の調査基地で、「最後の未開拓地」の植民地化に向けて、極度の寒さ、孤独、望郷の念に適応するための実験的な訓練に参加している。
というストーリー設定?
合っているかどうか、見てからのお楽しみ・・・。
「搾取」がテーマの一つだそうで、カーンの『ジゼル』と通じる。
プリンシパルの高橋絵里奈さんもキャスティングされている。
▼クリーチャー役のジェフリー・シリオ(Jeffrey Cirio)が踊るシーンの抜粋。
1969年の人類初の月面着陸(アポロ11号)に際し、アメリカの宇宙飛行士ニール・アームストロングと回線でつながり地上から話したアメリカのリチャード・ニクソン大統領の肉声(音声)を用いている。
象徴的に繰り返し流れるのが、「Because of what you have done, the heavens have become a part of man's world(あなた方の行為のおかげで、天上は人類の世界の一部となった」という言葉。
音声に合わせてダンサーが片方の手の平を自分の顔に向けて口が話しているように指を動かすのはカーンの『Chotto Desh』を連想した。また、動画の最後にサイレンのような音が流れるのは、カーンの『ジゼル』を思わせる。
▼ジェフリー・シリオのインタビュー動画。まだ全編は視聴していないが、冒頭で『クリーチャー』について話している。コロナ禍で公演が延期になり、数週間ずつ、長期にわたって稽古しているとのこと。(シリオはアメリカ・ペンシルベニアで育ったらしい)