『火守』劉慈欣:中国SF大作『三体』の著者による非科学的で優しい童話
池澤春菜訳、西村ツチカ絵。
愛する少女の病気を治して命を救うため、東に位置する小さな島にやってきた少年。その島で毎日過酷な「火守(ひもり)」の仕事に従事する老人に、空に昇って少女の星の手当てをしてくれるようお願いする。老人の仕事を継ぐことと引き換えに。
月、星、太陽の物語はどれも「非科学的」だが、本当はどうなのかなんて誰が知っているだろう?本当は、この温かい小説のようであるかもしれない。
三日月によじ登ったり寝そべったりできないことは、大人はわかっている。月は形を変えるように見えるだけで、実際は常に球体だから。それに・・・といろいろ挙げてみても、三日月は抱き枕のように優しく私を誘惑する。
少年が火守の仕事を一生引き受ける決心をしたのは、きっと愛する少女に毎日新しい朝が訪れるようにするため。
誰かを愛する誰かの力で、今日も世界は続き、私たちは生きるのだ。
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