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せとみね りこ
2021年2月4日 23:31
おやすみなさい。私は、王子さまのいないシンデレラ姫。あたし、東京の、どこにいるか、ごぞんじですか? もう、ふたたびお目にかかりません。『女生徒』太宰治はじめてこの言葉を知った時は「私は、シンデレラ姫」っていう女なんか嫌い。自惚れるなよと思っていた。それが、次に読む時には「どこにいるか、ごぞんじですか?」の方が目に止まった。見つけてほしいような、見つけて欲しくないような想
2021年2月28日 23:11
ひとに憩いを与え、光明を投げてやるような作品を書くのに、才能だけではいけないようです。『猿面冠者』太宰治「才能だけではいけない」ということは少なくとも才能は必要とされているというわけでま、当たり前と言えば当たり前だけど「憩い」とか「光」を与えるもの「書く」とはそんな簡単なことではないということ。読まれる文章・惹きつけられる文章を勉強する3月にするためにも、もっとインプットを
2021年2月27日 23:23
人非人でもいいじゃないの。私たちは、生きていさえすればいいのよ。『ヴィヨンの妻』太宰治 昨晩、深夜まで仕事をしていて今日も朝は早い。寝たい。今日中に完成させなければいけない仕事。パソコンの動きが遅い。こんなパソコンで仕事をしたくない。早く返して欲しい返信。待てど暮らせどメールが返ってこない。焦燥感のせいか、本当に小さなことでも「どうしよう」と不安になることがある。
2021年2月26日 23:13
愛は言葉にするべきか、沈黙すべきか。ほんたうの愛情といふものは死ぬまで默つてゐるものだ。菊のやつが僕にさう教へたことがある。『ダス・ゲマイネ』太宰治好きと口に出して言う事は、恥ずかしい。それは誰だって恥ずかしい。けれども、その恥ずかしさに眼をつぶって、怒濤に飛び込む思いで愛の言葉を叫ぶところに、愛情の実体があるのだ。『新ハムレット』太宰治「死ぬまで黙る」「愛の言葉を
2021年2月25日 22:55
出がけに、うちの門のまえの草を、少しむしって、お母さんへの勤労奉仕。きょうは何かいいことがあるかも知れない。同じ草でも、どうしてこんな、むしりとりたい草と、そっと残して置きたい草と、いろいろあるのだろう。 可愛い草と、そうでない草と、形は、ちっとも違っていないのに、それでも、いじらしい草と、にくにくしい草と、どうしてこう、ちゃんとわかれているのだろう。理窟はないんだ。女の好ききらいなんて、ずいぶん
2021年2月23日 23:16
トカトントン トントントカトン『トカトントン』太宰治まさに「トカトントン」っていう感じ。何かを進めようとすると聞こえる音。立ち上がろうとするたびに気力を削がれる。この音と私が動けなくなってる今は一緒なのか。トカトントン、トカトントン。主人公が何をするにも聞こえてきた音。そして、それを止める方法を求められて答えられた回答。マタイ十章、二八、「身を殺して霊魂をころし得ぬ
2021年2月22日 23:45
一生、自分と同じくらい弱いやさしい温かい人たちの中でだけ生活して行ける身分の人は、うらやましい。苦労なんて、苦労せずに一生すませるんだったら、わざわざ求めて苦労する必要なんて無いんだ。そのほうが、いいんだ。『女生徒』太宰治色んなことに疲れてしまった時にはもういいかな。頑張ったし。何もしたくない。と、全てを投げ出したくなることがある。本当にやりたいことのためにする努力なら誰だって厭
2021年2月21日 23:19
……考えれば考えるほど、自分には、わからなくなり、自分ひとり全く変っているような、不安と恐怖に襲われるばかりなのです。自分は隣人と、ほとんど会話が出来ません。何を、どう言ったらいいのか、わからないのです。『人間失格』太宰治体を流れる血液の色・りんごやトマトの色が「赤」でも、私の目に映る赤と他人の目に映る赤は同じように見えているか不安になったことがある。目の前に座って涙を流
2021年2月20日 23:13
いま、ここで忍従の鎖を断ち切り、それがために、どんな悲惨の地獄に落ちても、私は後悔しないだろう。だめなのだ。もう、これ以上、私は自身を卑屈にできない。自由!『八十八夜』太宰治「どんな悲惨な地獄に落ちても、私は後悔しない」そう言えるってどれだけの覚悟なんだろう。最近「自由」という言葉にすごく敏感でことあるごとに目に飛び込んでくる。私を縛るのは私。私の限界を決めるのも私。
2021年2月19日 21:20
それよりも、この空は、美しい。このお空には、私うまれてはじめて頭を下げたいのです。『女生徒』太宰治悩んだときに外にでて、見上げた空が雲がひとつもなくて、澄んだ空だった。コロナによって、外に出る機会が減って仕事も部屋の中で進められて幸せを感じることの方が多いはずなのに見上げた空の美しさに感動した。そして、今日の空が綺麗だと伝えたくなってこの空を見てほしいと心から願った。
2021年2月17日 23:29
「人間は一生、人間の愛憎の中で苦しまなければならぬものです。のがれ出る事は出来ません。忍んで、努力を積むだけです。」『竹青』太宰治大人になってから好きになった言葉。というよりか大人になって理解できるようになってそうか、だから人間は苦しいんだ。と、救ってもらった言葉。「嫉妬」とか「愛憎」を感情を抱いてはいけない。感情に蓋をすることが正しいと思っていたからそうか、これは普通なんだ
2021年2月13日 23:32
noteを書く時間だ。そう思っていたら、地震速報。家族と離れて暮らすということは何かあったときに、大丈夫だろうか。無事なんだろうかと不安に思ったときにそばにいることができないということ。仕事をするようになってから、全国各地にお世話になった人、知り合いがいるからどうか無事でありますようにと思う場所が増えていったということ。大切な人や場所やものが増えるほどに心配することも大
2021年2月15日 20:56
一日の労苦は、そのまま一日の収穫である。「思い煩うな。空飛ぶ鳥を見よ。播かず。刈らず。蔵に収めず。」『一日の労苦』太宰治土曜日・日曜日とかなりの時間仕事をしていて疲れて眠ってしまった昨日。毎日、毎日頑張ってるつもりではいるけれどこれから先、3年・5年後何になるんだろうとぼんやり悩むことが多い。そんなときに思い出すのは『一日の労苦』に出てくる「聖書」の中にあるマタイの福音書
2021年2月12日 23:17
あまり期待してお読みになると、私は困るのである。これは、そんなに面白い物語で無いかも知れない。『春の盗賊』太宰治物語は冒頭で決まる。The night was young, and so was he. But the night was sweet, and he was sour.『幻の女』ウィリアム・アイリッシュ「恋人よ我に帰れ」のもじりとされていて冒頭の秀逸さという