#2 鳥の目になって経営戦略の全体を見てみよう
1.経営戦略の全体像
企業の経営戦略やマーケティング戦略の話は、様々な分析フレームワークや戦略論が出てきて、当初は僕はその関係がよく分かりませんでした。そこで、最初に整理したのが、経営戦略の全体像です。
戦略とは「目的・目標を達成するための打ち手」ですが、一般的な企業の分析フレームワークや競争戦略との関係を表してみました。
全ての経営戦略の土台となるのが、経営理念やビジョンと言われるものです。全社員が経営理念やビジョンに納得・共感して、共通の目的に向かう事ができれば成長スピードのギアはぐっと上がります
大きくは事業戦略・人事戦略・組織戦略の3つがあり、事業戦略は、全事業を対象とする全社戦略と事業別の個別戦略があります
事業別の戦略は各事業ごとに策定される戦略で、たいていの企業では既存事業と新規の事業領域があります。既存の事業領域では、自社と外部環境の分析に各種フレームワークが使われます。新規の事業領域では、それらフレームワークによる分析に加えて、どのような新しい事業・商品・サービスを創り出すか?というWhatの創造が必要となります。
事業別の戦略の一つであるマーケティング戦略は、「誰に、何を、どうやって売るのか?」の打ち手です
マイケル・ポーターの競争戦略やフィリィップ・コトラーの競争地位別戦略は、その事業でどうやって競合に勝つか?の基本的な考え方です
戦略があるからと言って、必ず成功するというわけではないですが、成功する確率を上げる事ができます。
よく引き合いに出されるのは、メジャーリーグで大活躍の大谷選手が高校時代に作ったという曼陀羅チャートですね。8球団からドラフト一位で指名されるという大目標を達成するためにいろんな角度から打ち手を分解して、さらにまたその打ち手を分解して、日々の目標に落としこんでいます。
自分が高校生の頃なんて、そんな事は考えもしなかったし、やっぱり大谷選手は違うなと思うし、まさに「せんだんは二葉より芳し」なんですね。
ところで、この「分解していく」という考え方は、戦略的思考だけでなく、問題の真の原因を追求したり、日常起きている様々な問題から課題を見つけ出す時などには、とても役に立つ考え方です。
ちょっと話がそれたので、元に戻します。
時系列で見ると企業を取り巻く環境はどんどん変わっていくし、自社内の状況も変わるし、製品のプロダクト・ライフ・サイクル(導入期→成長期→成熟期→衰退期)だって進んでいきます。従って、当初立案した戦略はその時は良くても、時間が経つにつれフィットしなくなるので、戦略の見直しは随時必要になります。
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