しばぞう

メーカーを退職後に専門学校で経営やマーケティングの講師をしています。講座の開設準備では…

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メーカーを退職後に専門学校で経営やマーケティングの講師をしています。講座の開設準備では、多少なりとも理解が深まったり、気づきがあったりしました。それらの事が世のビジネスパーソンや学生さんにとって、何か少しでも役立つ事があればいいなという思いで、投稿を始めた次第です。

最近の記事

#13 競争に勝つには「違い」を出そう

(2)差別化戦略 競合に対して差別化をする戦略ですが、この「差別化」をもう少し嚙み砕くと、 製品の特徴、機能、性能、品質、顧客が持つイメージや印象などが   ・他社に比べて顕著に差がある   ・他社にない独自性がある   ・他社が模倣困難である   ・顧客にとって、分かりやすい   ・(特定の)顧客にとって、重要な意味を持つ という事になります。 機能や性能が他社に対して顕著な差があれば、もちろん大きな差別化になりますが、多くの製品が成熟化している現代では、機能や性能が他社

    • #12 どうすれば、競争に勝てるのか!? 

      4.競争戦略 マイケル・ポーターの競争戦略やフィリィップ・コトラーの競争地位別戦略は、「いかに競合に対して、優位なポジション(地位)を築き、勝つか?」の戦略論です。 従って、戦略を考える上で、競合分析は重要なポイントとなります。 競合分析の一つであるSWOT分析の「O:機会」と「T:脅威」は、自社と競合との関係性の分析になります。 例えば、大きなシェアを持ち、経営資源が豊富な競合が業界にいれば、自社には脅威(Treat)ですし、業界に多数の競合がいて、どんぐりの背比べ状態だ

      • #11 お飾りのビジョンや戦略になっていませんか?

        3.経営理念・ビジョンと戦略 「戦略の全体像」の中で、「経営理念やビジョン(目指す姿)は、全ての経営戦略の土台となる」という事を書きました。 企業によっては、さらに「ミッション(使命)」や「大切にする価値観」や「行動指針」を個別に設定したり、あるいはこれらをマージして表現したりしています。 経営理念やビジョンと、そこから考え出される戦略は、なぜ、重要なのでしょうか? (1)全社員が同じ方向に向かうことができる スポーツもそうですが、全員バラバラな事を考えていると、チームの

        • #10 顧客を色分けしてみよう

          2-4-5. STP分析 顧客分析の他の方法として、STP分析の「S:セグメンテーション」「T:ターゲティング」があります。 「S」と「T」は、「どのような顧客層を狙うか?」です。 「P:ポジショニング」は、「 競合製品に対して、自社製品はどのような立ち位置」で売るのか?を検討します。 2-4-5-1. セグメンテーション セグメンテーションは、顧客をグループ分けしていくことです。 グループ分けをする切り口は 地理: 国、地域、気候、文化、宗教・・・ 人口統計: 年齢

        #13 競争に勝つには「違い」を出そう

          #9 「分解」は魔法の呪文?!

          2-4-4. GCS分析 顧客分析の方法の一つとして、GCS分析があります。 顧客がどのように変化しているかを、ジャンル(Genre) → カテゴリー(Category) → セグメント(Segment)と調べる範囲を絞っていきながら分析する方法です。 これも、「分解していく」事で課題を発見する考え方で、「なぜなぜ分析」と同様に物事を深掘りしていくアプローチです。 例として、ビール系飲料のGCS分析です。 このグラフを見ると、ビール系飲料トータル(ジャンル)の消費量は減少傾

          #9 「分解」は魔法の呪文?!

          #8 本質的ニーズとは?

          2-4-2. ニーズの種類 顧客の分析の第一歩は、顧客のニーズを知る事ですが、ニーズには、表面的ニーズ(上辺のニーズ)と本質的ニーズ(根本的なニーズ)があります。どんなニーズを満たすかによって、競合も変わるし、競合に勝つための戦略も変わってきますので、見極めが必要です。 本質的ニーズの例として、よく引き合いに出されるのが、ドリルを買いに来る客の例ですね。 客のニーズは「ドリル」ではなくて、「穴を開けたい」のです。 さらに「なぜ、穴を開けたいのですか?」と、深掘りして客に聞く

          #8 本質的ニーズとは?

          #7 困り事は何ですか?

          2-4.顧客の分析 2-4-1. ニーズを知る  顧客の分析の第一歩は、顧客のニーズを知る事です。 顧客のニーズとは、読んで字のごとし「顧客が必要としている、あるいは欲しいもの」です。言われるまでもなく、当たり前の事ですね。 そこで少し視点を変えてみると、「顧客が不便に思っていたり、困っている事」が、ニーズを見つけるヒントになります。 ある新商品の検討会で、かつての上司が 「それじゃぁ 次回の打ち合わせには、顧客の困り事を100個持って来てね」 と、事も無げに言いました。

          #7 困り事は何ですか?

          #6 あなたの会社の経営資源で勝てますか?

          2-3.自社の分析 自社を分析するフレームワークは、VRIO分析とSWOT分析の「S:Strength、強み」「W:Weakness、弱み」になります。 SWOT分析については2-2-2.で説明しました。 又、STP分析(Segmentation, Targeting, Positioning)のPositioningは、競合製品に対する自社製品の立ち位置からの戦略検討ですが、これはSTP分析の項で説明します。 2-3-1. VRIO分析 VRIO分析とは、自社の経営資源

          #6 あなたの会社の経営資源で勝てますか?

          #5 4つの掛け算で戦略が見える?!

          2-2-2.SWOT分析 SWOT分析のSWOTとは、「強み」「弱み」「機会」「脅威」の事です。 自社の分析としては、その強みと弱み、競合や外部環境の分析として、その機会と脅威を分析します。これらの4つの強み、弱み、機会、脅威をクロスで分析することで戦略オプションを考え出す事ができます。 (1)強み × 機会 機会を捉えて、そこに自社の強みを活かす (2)強み × 脅威 脅威に対して自社の強みで勝つ (3)弱み × 機会 自社の弱みを克服して機会を活かす (4)弱み × 脅威

          #5 4つの掛け算で戦略が見える?!

          #4 世の中の動きをとらえよう

          2-2. 外部環境の分析  外部環境を分析するのは、PEST分析、SWOT分析のうちの「O:Opportunity、機会」「T:Threat、脅威」です。 2-2-1. PEST分析PEST分析は、外部環境をマクロな視点で、自社・競合・顧客に影響する機会や脅威を分析します。 政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの視点で調べるので、PEST分析といいます。 例えば、Politicsは米国の大統領選挙の行

          #4 世の中の動きをとらえよう

          #3 分析フレームワークはどれを使えばいい?

          2.自社・外部環境の分析 経営戦略の全体像にあるように、事業戦略やマーケティング戦略を立案するには、自社と外部環境の分析が欠かせません。その分析をするために使ういくつかのフレームワークがあるので、フレームワークの全体像から個々のフレームワークを説明していきましょう。 2-1. 分析フレームワークの全体像 各分析フレームワークで、何を分析するかというと、外部環境と3Cと言われる自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)、そして自社の取引先で

          #3 分析フレームワークはどれを使えばいい?

          #2 鳥の目になって経営戦略の全体を見てみよう

          1.経営戦略の全体像 企業の経営戦略やマーケティング戦略の話は、様々な分析フレームワークや戦略論が出てきて、当初は僕はその関係がよく分かりませんでした。そこで、最初に整理したのが、経営戦略の全体像です。 戦略とは「目的・目標を達成するための打ち手」ですが、一般的な企業の分析フレームワークや競争戦略との関係を表してみました。 全ての経営戦略の土台となるのが、経営理念やビジョンと言われるものです。全社員が経営理念やビジョンに納得・共感して、共通の目的に向かう事ができれば成長スピ

          #2 鳥の目になって経営戦略の全体を見てみよう

          #1 自己紹介|はじめてのnote

          1.自己紹介 長く勤めた会社を退職して、専門学校で経営やマーケティングの講座で講師をしている「しばぞう」です。趣味はラグビー観戦と、たまに行く温泉かな。 2.noteを始めたワケ講座準備で教材を作成しながら思ったのですが、自身では知ったつもりでいた事も、実は中途半端にしか分かっていなかったり、各種フレームワークも、それぞれバラバラであやふやな理解でしたが、俯瞰してみると、実はちゃんと関連性があったりとか、いろんな気づきがありました。 また、日々、実際に起きているビジネス関連

          #1 自己紹介|はじめてのnote