「森田療法を知るためのキーワード」

北西憲二『森田療法のすべてがわかる本』に「森田療法を知るためのキーワード」が書かれている。それを見ていこう。

心の流転
見聞きするものや、外界の変化によって、私たちの感情は千変万化に反するもの――
森田はこれを「心の流転」とよび、これを体得したとき、とらわれから解放されると考えました。

北西憲二『森田療法のすべてがわかる本』

要は、人間の感情というものは色々なものから影響を受けざるを得ない。それを把握することが重要ということだろう。それを「心の流転」と表現されている。これを理解したときに「とらわれ」から解放されるらしい。

繫驢桔(けろけつ)
なにやらむずかしい言葉ですが、繫驢桔とは「杭(桔)につながれたロバ」のこと。悩みから自由になりたいともがく人のたとえです。

北西憲二『森田療法のすべてがわかる本』

悩みから自由になりたいともがく人は、「杭につながれたロバ」みたいなものだと書かれている。ただ、どれだけもがいたところで、無駄ということだろう。余計にこんがらがってくるということだろう。だから、悩みを「あるがまま」に受け入れることが重要なのだろう。

純な心
なにかあったとき、あれこれ思考を働かせるより、とっさにわき起こる感情をきちんと受け止めることが大事――
森田正馬は、それを「純な心」という言葉で示しました。

北西憲二『森田療法のすべてがわかる本』

ブルースリーに言わせると、「Don't think! Feel.」だ。色々考えることにより、より「とらわれ」が深くなる。感情を「あるがまま」に受け止めよ、ということだろう。

恐怖に突入する
恐怖を覚える場面をさけずに、あえて立ち向かっていく――
それが「恐怖に突入する」ということです。
恐怖へのとらわれから脱却することにつながる体験です。

北西憲二『森田療法のすべてがわかる本』

不安障害に予期不安というものがある。「ああなったらどうしよう」と思ってしまい、行動が制限されることだ。その治療法の一つとして、あえて、「恐怖に突入する」方法がある。こうすることで、「ああなったらどうしよう」という予想が現実に起こるかどうか確かめるのだ。「案ずるより産むが易し」で実際やってみたら、なんてことはなかった、ということは結構起きる。

いいなと思ったら応援しよう!