近づく終わりの時
年齢を重ねると、今まで
たやすくできていたことが
できなくなっていきます。
例えば、咀嚼。
元々は早食いの私ですが、
ここ数年、よく咀嚼できていないものは
飲み込みづらくなってきました。
なので、飲み込みやすいように
よく咀嚼すると、食べるのが
遅くなります。
早食いではなくなりました。
しかし、よく咀嚼しているつもりでも
思ったよりうまくできていないと
飲み込むときに「ごきゅっ」と
のどを通ることになります。
それが、案外苦しいもので、
飲み物を傍らに置いてないと
不安になってしまいます。
あと誤嚥しやすくなりました。
本当に普通に飲み物を飲んだだけなのに、
気管に入ってしまって、
大変苦しい思いをします。
あと、体力は完全に
衰えているのがわかります。
子どもを6人育てたのに、
現在、孫たちを預かるのが、
とても大変です。
行動も若い時よりスピード感がなくなったので
のろくなってしまいました。
自分の意識は、若い頃と
何ら変わりないのに、体がどんどん
老朽化しているのを感じています。
50代半ばになると、みんな
こういう感じなのでしょうか。
私には、友達がひとりもいないので、
同世代の人の様子がまったく
わかりません。
体の老いはそのような感じなのですが、
心、気持ちとしては、
帰りたい場所があります。
そこに帰らなくてはいけない気持ちに
なっています。
そして、帰ることができたなら、
何となく自分が終わるような
気がしています。
まだ、やらなくてはならないことが
あるので、自分で終わらせようとは
思っていないのですが、
何だか変な予感がするのです。
子供たちもそのような感じがするのか、
どこかに出かけるときは
私が帰りたい場所は選びません。
「あまり自分の希望を言わないお母さんが
強く望むなんて、嫌な予感しかしない」と
言っています(笑)
よくわからないけれど、
終わりに向かっていることは確かです。
いや、人は誰でも、生まれたその瞬間から
終わりに向かっています。
悲しいとか、苦しいとか
死んでしまいたいとか、そういう気持ちに
なったわけではなく、
単純に年を重ねて、
確実に遠くない未来の終わりに
向かっているのだろう、ということです。