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理由

何度も、何度も、
自分を消してしまいたいと思った。

自分の身体の中には、
どす黒い汚いものが溜まっている。
血管には、赤ではなく
黒い血が流れてる。
自分は、罪人である。
自分が存在すると、周りにいる人を
不幸にしてしまう。
自分は、疫病神だ。
いなくなれば、みんなが幸せになる。

浄化しなくては。
浄化しなくては。
浄化しなくては。

手首を切ってみる。
怖くて、浅くしか切れない。
飛び降りも、飛び込みも、
首吊りも、怖くてできない。

何もせず、ゆるゆると
自分を消すことはできないか?
それが、拒食の始まりでした。
食べる量を極端に減らし、
水分しか摂らない。
そんな生活を続けていたら、
食べ物を食べたくなくなりました。

それでも食べてしまったとき、
自分の身体の中に汚物があるような気がして
下剤を大量に飲んで、
身体の中を浄化しました。
体重がどんどん落ちて、骨と皮になっていって
体力もなくなって、
歩くことも苦しくなっていきました。

下剤を一日に何百錠も飲み続けていると
腸がけいれんを起こし、
激痛にもだえ苦しみます。
救急車に乗せられ、病院へ。
何という迷惑な人間なんだ。
他人様に迷惑をかけてしまうなんて。

私は、死にたかったわけではありません。
生きていくことが、
とても、とても辛かった。
幼い頃に投げつけられた
呪いの言葉に、ずっと囚われて
生きていくことに
希望を持つことができなかった。
だから、自分を消してしまいたかった。


今、私は生きています。
生きることに罪悪感があっても、
自分を消したくても、
拒食になろうと
下剤をたくさん飲みすぎようと、
私は生きています。

あとで、やっぱりあの頃
自分を消してしまえば良かった。と
後悔する日がくるかもしれません。
けど、死んでしまったら、
死にたくなかった、生きていたかった、
と後悔しても、生き返ることはできない。

だから、死んではいけないのです。
それが、私の導き出した
「自死してはいけない理由」です。


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