妻と歩んだ日10〜事実を受け入れるまで〜

2021年2月

転移が分かって数日後、子どもの前で泣いてしまった。と、妻からLINEが入ってた…

自分の記憶では、子どもの前で泣いたのは、この時だけだった。

2人っきりの時には、よく泣いてたのに、最期の時まで、子どもの前では泣かなかったな…

そして自分には、何が出来るか…
妻が乳がんになってから、ずっと考えてた…

結局、いつも通りでいる事と、前向きな考えしか持たない事。そして、妻の希望は何としてでも叶える事。

この程度しか出来ない自分が、無価値な人間に思えてくる…
そんな気持ち、悟られたらきっと自分のせいだと妻は考えてしまうから、自分で自分を騙しながら普通を振る舞ってた…

治療の方は、抗がん剤も何が効くかわからないから、効き目がありそうなものから試す事に。

脱毛の心配はない。と、いう事で、少し気分が落ち着いたみたい。

ただこの治療は、悪くなって初めて効き目が無い事が分かる。と、言うもどかしいものだった…

2021年4月
子ども達はそれぞれの保育園で一つ組が上がり、何気に自分も昇進。転職して3年目。

給与が上がるのは助かる…

嫁も喜んでくれた。

何より嬉しかったのは、妻の気持ちがまた前向きになった事だった。