「強さ」とは?
「強さとはなんだと思う?」
ふと浮かんできたのは、高校時代の担任がホームルームで言った一言。
確か当時、高校2年生だった。
私が通っていた高校は、珍しくクラス替えが一度もなかった。
その代わり、自分の興味のある授業を自ら選んで学ぶスタイルだった。
だから、担任も3年間同じだった。
そんな担任が、わざわざホームルームの時間に聞いてきた。
反抗期真っ只中の「だるい」「うざい」「めんどい」をスタンスにしている
16歳たちに向かって「強さとは何か」と問いただしてきた。
「強いは強いでしょう」と怠けた態度を取った私とは裏腹に
担任は「じゃあ...」と名指しする空気を出してきた。
私はすぐさま日付を確認し、出席番号と遠い数字に安心した。
早く終わらないかなと思っていた時、私は当てられた。
やばい.…なんにも考えてなかった。
とりあえずで答えた。
「自分の言ったことを行動できる人」
何故、これが出たのか自分でも不思議だった。
「そうだな、それも立派な強さだ」
担任はそう言って、また違うクラスメイトに当てた。
無性に恥ずかしくなったのを憶えている。
そのあとも色んな「強さ」を聞き出して最終的に担任は言った。
「強さは年齢や時代によって形が変わる」
「その強さのために責任が取れる大人になりなさい」
卒業アルバムは処分してしまったから、担任の顔はもう忘れた。
なんの教科を担当していたのかも忘れた。
高校の思い出は友人とはしゃいでいた記憶しかない。
それなのに、このことだけは鮮明に思い出せる。
今、そんな強さを持てている大人になれているか分からない。
それでも、その時々で思う「強さ」を守れる人になりたい。
皆さんが思う「強さ」は何ですか?
りた
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