【観劇】パペット・ファンタジー「ムーミン谷の夏まつり」
※8月17日少しだけ追記
@日生劇場
本作は「日生劇場ファミリーフェスティヴァル2024」と題し子連れファミリー向けにバレエやミュージカルといった舞台芸術を上演する企画の中の一つとして上演されたもの。
子連れでない私がなぜお子様大集合のこの公演を観に行ったのか?ムーミンが好きだからに他なりません。
あとは、普段文楽を見るのでそれ以外の人形劇もみてみよう!という興味関心。
……と勢い込んで言ってはみたものの、私がムーミンに興味を持ち始めたのは最近。いわば俄か、新参者です。
また、万が一お子様に「前のおばさんが邪魔で見えない……」なんて言われてしまった日には腹を切ってお詫び申さなければなりません。
と言うわけで二階の端っこでひっそり観劇してまいりました。
ちなみにチケット代は脅威の3,000円(A席)。
子供料金は更にその半分。やっす。
日頃一万円超えのチケット代を払っている身には破格のお値段。
寄席の値段かな??
お子さんの集中力を考慮してるからか公演時間こそ寄席より短い1.5時間ですが、良い芝居かどうかに公演時間の長さは関係ないですからね。
むしろつまらない芝居が3時間くらいあると、お得なんて気は微塵もわかず、3時間を無駄に浪費させられた虚無感と怒りが湧いてきます。
では、今作はどうだったかと言うと。
原作を読んでないため原作から変わった部分があるのか分かりませんが、とても満足な内容でした!
まず、冒頭からムーミンがスナフキンの不在により病んでいる。良いですね。
ミイ「ムーミンったら夏祭りが近いってのに元気がないのよ。スナフキンがいないから」(細かい言い方は覚えてないのでセリフはあくまでニュアンスです)
(ママが作ってくれた船を池に浮かべて眺めながら)
ムーミン「………スナフキンにも見せたいなぁ」
スナフキンは毎年冬の間ムーミン谷を離れて旅に出るんですが今回は冬でもないのにスナフキンがいないんですね。
因みに冬が近づき旅に出るスナフキンを見送るムーミンはめちゃくちゃに悲しむんですがそもそもムーミン達は冬は冬眠するんですよね。
……お前たちが寝るからスナフキン旅に出るのでは??
てのは置いておいて。
ムーミンは病んでてこそムーミンだと思っている輩なので最初からテンションが上がりました。
そんな風にムーミンを病ませてしまう罪な男、スナフキンですが今年の春に彼を主人公にしたゲームが出ました。
スナフキンを動かして「立ち入り禁止」などの気に食わない看板を引っこ抜いていくというなかなかアグレッシブなゲームなのですが、なんと今回劇中でスナフキンが看板を引っこ抜きます。
スナフキンの看板抜きを生で見られて私はもはや、感無量。
しかも看板を抜いた後、注意しにきた公園番に放電するニョロニョロを投げつけたりする。
やってる事がテロリストのそれ。スナフキン先輩流石です。
そんな、今まで外側から楽しそう、面白そうと眺めているだけだったムーミンの世界に初めて入れてめちゃくちゃ嬉しかったです。
最後いろいろあってはぐれてしまっていたパパママ達とムーミン達が無事再会、スナフキンにも会えてみんなでムーミン谷へ帰ろう!となるのですがみんなで歌いながら帰るムーミン達にうっかり泣きそうになりました。心が浄化された。
原作読もう。いや、読まなければならない(義務)。
あとまさかのカーテンコールで客降りファンサタイムがあってびっくりしました。ムーミン達が客席降りしてそのままハケていくのですが最近だと舞台刀剣乱舞心伝の大楽がこんな感じだった気がします。
ハイタッチとかしちゃってファンサ精神旺盛なムーミン達、刀剣男士にも負けてないです。
私がムーミン俄かだから知らないだけで、実はこのファンサのための熾烈な座席争いがあるのかもしれない。
ムーミンから離れて「人形劇」としての感想をちょっとすると、思いの外細かい動きをするムーミン達にびっくりしました。泳いだり屋根に登ったり縛られたり、いろんなムーミン達がみられます。
来年とかもまたやるなら絶対観に行きたいと思いました。
この日は劇団四季のゴーストアンドレディも観に行きました。その感想はまた改めて。
8/17追記
ムーミンパパ達がはぐれたムーミン達と再会するために上演する劇に月とライオンが出て来るのですが、シェイクスピアの「夏の夜の夢」で職人達がやる芝居、ピラマスとシスビーの悲劇も月とライオンが出てたと思うんですね。
季節もどちらも夏。
ヨーロッパの方で夏は月とライオンは何か結びついているものなのでしょうか。
それともムーミンパパの書いた脚本がそもそもピラマスとシスビーの話をモチーフにしているのか。
ちょっと気になりました。
自分でも調べてみようと思いますが詳しい方いたら教えて欲しいです。
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