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ペダステの終焉【観劇】舞台『弱虫ペダル』Over the sweat and tears

@シアターH

舞台弱虫ペダル、通称ペダステは私が初めてみた2.5次元舞台です。
初めて見たのはインターハイ編2日目。
原作を薦めてくれた友達にドはまりした旨を伝えたところ、じゃあ次は舞台だ!と連れられていったのがきっかけでした。天王洲銀河劇場の4・5列目あたりで観劇したはず。
当時私はお芝居の勉強をしている学生で、漫画アニメの類はもともと好きだったものの漫画アニメ原作の舞台というものには勝手に「よくわからないチャラチャラしたイケメンがコスプレしてチャラチャラやっている舞台」という偏見を抱いていました。
偏見of偏見、一周回って面白いくらいの典型的な偏見ですね。恥ずかしい。
そんな偏りまくった先入観を持っていた私ですがそんなものは数時間の間に、いや始まって数分で覆っていました。
ペダステは自転車に乗る動作を、ハンドルを持った役者さんが走ることで表現します。
その様子は切り抜きとかで観た方によく笑われていますが、実際に生でみるとその熱量のすごさに否が応でも思い知らされます。この人たちは本気だ。本気で自転車に乗ってペダルを回していると。
芝居はキラキラしてたりエンタメに振り切れていたりするものも好きですが、泥臭かったり、緻密にセリフが積み上げられていったりするようなのがめちゃめちゃ好みの私にペダステはドストライクでした。
それからはあれよあれよという間に沼に転げ落ちていき。笑
2.5次元を中心に活躍されている俳優さんに知った名前もどんどん増えていきました。
詳しくは書きませんが、ペダステが間接的なきっかけになって今の仕事に就いていたりもします。

そんなペダステ、二年目IHの途中まではちゃんと劇場に足を運んでいたのですが、最近はとんとご無沙汰になってしまっていました。今のシリーズが始まるときに久しぶりに観に行ったかな。
が、懐かしすぎて、あまりの懐かしさに逆に心がしんどくなるというメンタル虚弱体験をしたためその後は再び行かずじまいに。
しかし今回は最後のペダステになるということで、これは観に行かなければと行ってまいりました。
ずっとペダステを見守ってきた人たちからすれば虫のいい話かもしれません。
それでも最後は観たかった。


いざ始まると、というか客席に入った時点で既に懐かしい。
自転車が吊られたシンプルな舞台がめちゃくちゃ美しいんですよね。
そして「スタートを切る」から始まる群唱。これぞペダステ。
私が観に行った回のアフタートークに出ていた初代真波山岳役の植田圭輔さんが今でも空で言えるとおっしゃっていましたが、私も言えます。笑
三つ子の魂百までですね。

他にも迫る集団の蛇の演出とか、歌とか、目が見えなくなりながらチームを引く鳴子君とか、絞り切る御堂筋君とか、もちろんラストのゴールも全部全部が懐かしくて。……あんまり昔の話ばかりするのも懐古厨っぽくてよくないですね。
ペダステの現在の演出は手嶋純太役で出演されていた鯨井康介さん。
キャストが変わるのは次のキャストさんにはプレッシャーだと思うのですが、演出を引き継ぐのもプレッシャーだと思うんです。西田シャトナーさんの演出を大切にしつつ、今のキャストさんたちとのペダステを作りあげられたのが伝わってきました。

あとキャストが女装をして演じる今泉応援隊のノリが今っぽくて謎に感動しました。笑
「今泉君の応援に来ちゃったぞい☆」だったもんですから……。

生で感じる熱量こそが弱虫ペダルを演劇で観る一番の理由で、弱虫ペダルが演劇になった意味だと思っているのですが、久しぶりに観たペダステはやっぱり熱くて、やっぱり素敵なままでした。
役者さんが身体表現の限界に挑むペダステってすっごく演劇だなあと改めて。
(ハードな動きをする=演劇的だと思っているわけではないですが)
主人公の坂道君が敵味方問わずいろんな人の言葉や行動に影響を受けて心を動かしたり行動したりするのも演劇に向いてるんだろうなと。
あとこれは原作がそうなんですが、主役の坂道くんのチーム総北はもちろん、他のライバル校にもそれまでの努力の背景がちゃんとあって、もう全員優勝しようぜ!て気持ちになるんですよね。
みんな応援したくなるからどんなレース結果でも嬉しくて悔しい。
観客も一緒に一喜一憂できる舞台。

最初に観た2.5次元舞台がペダステで本当に良かったなと思いました。

そして最後のヒメヒメもばっちり身体が覚えてました。笑
多分死ぬまで忘れない。笑

途中から観ていない私にあんまり多くを語る権利はないと思うのでさっさと筆をおきますが、舞台弱虫ペダルに出会えて私はすごく幸せでした。
キャスト、スタッフの皆様ありがとうございました。お疲れ様でした。

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