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映画 イノセンツ 感想

本記事は、【2023.8.12】にシティヘブンネットの写メ日記に掲載された映画「イノセンツ」のネタバレ感想または考察を再掲したものです。

公開日: 2021年8月27日 (ノルウェー)
監督: エスキル・フォクト
撮影: シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン

クソコラを作りましたのでご査収ください。

イノセンツ ファンアート

日本公開日は2023年7月28日です。

8月7日の日曜日、午前中ダラダラ過ごしながら「そうだ、イノセンツを観よう」的な大人の休日倶楽部のノリでチケット確保に動いたところ、日本橋、新宿、池袋と都心のチケットはほぼ売り切れていました。

この日は何か脳がバグっていたのか「都心がダメなら我らが田舎の星MOVIXはどうだろう」と検索したところ、なんと夕方の回が全席空席。それでも上映してくれるMOVIXのありがたさが身に沁みました。

以下は映画「イノセンツ」のネタバレに触れる感想になるため、観ていない方はブラウザバック!

夏にやらかした大人に言えない思い出

北欧スリラーということ以外の情報を入れずにいったため、「かなり冗長で、最悪の場合寝るという覚悟しているよ、大人だからね」という謎の余裕をもって鑑賞しましたが、普通に全編通して興味を失うことなく楽しめました。

一言でいうと「大人には見えない、知らない能力で自分の大切な世界を守っていく夏休み、地獄のデジモンアドベンチャーみたいな映画」かな。

ゴアはきつくなかったですが、「いやぁ、猫が死ぬのは無理だわ」とか忘れかけていた良心が蘇って心に来るシーンが多かったです。
「蠅の王」などの子供の残虐性を描いた映画は、「おそろしいわー」ではなく、子供の頃の自分の経験などを思い出してチクチクとした甘い気持ちになったりします。生死に対して、もっと誠実で必死で興味があったのに、何故、飲みすぎて道端で寝たりするようになってしまったのか。

映画「イノセンツ」では姉の靴にガラス片を入れるシーンがあります。汚い大人になった今、「序盤で姉との確執があるなら、終盤の展開的に姉と会話をしなくては物語がしまらない」などと野暮なことを考えましたが、帰路のドライブ中にふと幼少期のことを思い出してものすごく切ない気持ちになりました。

忘れかけていた良心

わたしと妹は鍵っ子でした。小さいころ、妹の家の鍵をお菓子の箱に隠して、隠したことも場所もすっかり忘れてしまい、夜二人一緒に母親に怒られて、泣きながら探したことがありました。わたしが鍵を隠したのは、六花亭のイチゴチョコレートの箱で、そのことだけ今でも強く覚えています。

あの時何を考えていたのか全然思い出せないけど、ガラス片を入れてしまった少しの嫉妬と興味本位とわたしの記憶の六花亭がグルグルまわりました。

映画の話に戻ると、子供はほぼみんな集中次第で超能力を使えるという設定もアツかったし、幻覚でコントロールする描写はかなりアガるキモさなので、ドラマシリーズ化してくれてもいいのになあと思いました。

余談ですが、三郷のMOVIXは車以外での到達を想定していない立地のため、わたしの居住地から車だと1時間弱、公共交通だと2時間弱かかります。今回この映画を見るために、近所に住む母に車を借り、1年半ぶりに運転をしました。
外気温は36度、体温か?という気温。
出発時は真っ青な空だったにもかかわらず、道中ゲリラ豪雨に襲われたり、右折に気が付くのが遅すぎて曲がれなかったり、「本当にたどり着けるのか?」というソワソワと「本当にたどり着けたし、下手くそすぎて4周したが駐車もできた」という達成感がありました。
車で映画を見に行くと、帰路の車窓で考えたこと、見えた景色が後々映画より残っていたりしませんか?わたしはよくあります。

一昨年愛知で営業マンをしていたころ、そもそも単館が存在しておらず、こうしてMOVIXで変な映画を見ては、夜の道路を爆走して自我を保っていたことを思い出しました。そういえば大好きな「マリグナント」も愛知のMOVIXで観たな。

三郷から、東京に戻るのに間違えて草加にたどり着いた

帰り道、曲がり損ねて草加にこんにちはしたりもしました。
愛知に居た頃はMOVIXのまわりはいわゆる"調整区域"にあたり、ひたすら明かりのない農道を走って帰りました。
今回は間違えて首都高に乗り「し、しぬ」と思いながらも、橋を渡るたびどこまでもビル明かりが煌めく様子にうっとり。これだけ沢山の人間が、ここに生きて明かりを灯している。わたしのような社会のバグでも、まだまだ隠れて生き続けることが出来るなと少し元気になりました。


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