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アニメ業界に就職したいけど八方塞がりなので解決法を有識者さん教えて下さい


お久しぶりです。新人。です。ここ数か月まともな更新をしていなかったので更新を楽しみにしていたフォロワーの方には申し訳ないと思っています。すみませんでした。

でも更新していなかったのには理由があります。

決して文章を書くのが面倒になったわけではないです。

ではその理由とは?

察しの良い方は見出しを見て分かるかもしれないですが、私、新人。は
アニメーション制作会社への就職へ向けてここ数か月活動していました。

具体的に言うと、履歴書やポートフォリオ云々の作成。そして求人への応募を繰り返していたのです。

で単刀直入に結果を発表します。結果は、


応募した制作会社(10社)の全てで書類選考落ち。全滅。


しかもなぜ落ちたかの理由は全く教えてもらえない。


よってここからは、なぜ私が書類選考を通過できなかったのか自分なりに結論を出したのでそれを読んで頂くとともに私にはアニメーション制作会社で働く能力があるのかないのかこの記事を読んだ方に判断してもらいたい。


【一応、注意喚起をしておくと。ここからの内容は決して特定の会社を貶めることを目的とした文章ではなく、私が個人的に感じたことですので本記事を「業界批判だ!」と安易に判断しないで頂きたいです】




実際に提出したポートフォリオ


(PDFファイルになってます。ぜひダウンロードして読んでみて下さい。)


私が書類選考を通過できない理由を邪推する


私はアニメーション演出家を志望しているのですが、演出職を募集している会社はほとんどなく、演出志望の人間はその前段階の役職である制作進行職の求人に応募する必要があります。

が、はっきり言って現在の制作進行職の仕事は直属の上司から「ヤレ!」と言われたことを思考停止状態で「はい」と二つ返事でこなすだけのライン作業員と変わらない仕事内容だと私は考えています。


その根拠がこちらのポスト。

(鈴_アニメ演出家氏のXより引用)



このポストを見て私は閃きました。

「こんな問題が起きるということは、制作進行に求められている能力って
自分が扱う素材(原画やL/Oなど)をチェック出来る能力。つまり映像やアニメーションの知識じゃなくて、上の人の言うことに訳も分からず従い、疑問を持たない。反感を持たない。言わば、上司の奴隷になる能力じゃね」

と。

なら、私が書類選考で落ちる理由も分かります。


提出したポートフォリオには私が有する映像やアニメーションについての知識、見識がまとめてあります。

また、それも単に自分勝手な解釈で書いた文章ではなく、機動戦士ガンダムの監督である富野由悠季監督のアニメーション制作についての技術書である『映像の原則』の内容に沿う形で書いた文章なので、本書をどこまで理解しているのかも分かって頂けるはずです。

つまり、私のポートフォリオを読めば、ある程度アニメーション制作の実状を理解していると納得して頂ける内容だということです。

しかし、アニメーション制作会社の採用担当者様は、「即戦力だ!」とはならず、逆に困るわけです。


なぜなら、こういうケースが想定されるからです。

上司が命令する理不尽な要求に対して私は、アニメーションについてそれなりに詳しいあまりに

「それは作品のクオリティを下げる行為なので承服しかねます。」

と口答えをするかもしれない。

となると上司はこう思うはずです。

「言うことを聞かせられない」

「奴隷にできない」

「手がかかる」

「こいつがいることで後々、問題が起きるかもしれない。」

結果。

「なら始めから雇わない方がいいや。」

となるわけです。

おかしな話ですよね。

自分で言うのも烏滸がましいのですが、少なくとも上記のポストで問題提起されているような制作進行職の方よりも私の方がアニメーション制作に携わるための能力があると思うので、「自分が支配できないから」というなんともくだらない理由で私を落として、アニメーションが好きなだけであまり詳しくない新卒の社員を何も知らないことをいいことに絶対服従の奴隷にして、こき使って、体調不良やメンタル不良になったら使い捨ててまた新たな奴隷を募集する。

そんな採用方針でもし人材を選んでいるならば、はっきり言ってがっかりですし、クリエイティブな仕事にあるまじき行為であると考えます。

しかし、これが制作進行職採用の実状なんだと邪推します。

この実情に対し、参考までにこの言葉を残します。

アップルで4年間、チーフ・エバンジェリストを務め、現在はオンラインデザイン作成ツール「キャンバ」のチーフ・エバンジェリストであるガイ・カワサキは、こんなことを言っている。

「Aクラスの人は、Aプラスの人を採用するものだ。つまり、自分よりももっと優秀な人を雇おうとする。だがBクラスの人は、自分の部下としてCクラスの人を採用する。そのCクラスの人は自分の部下にDクラスの人を採用し、そのDクラスの人はまた自分の部下にEクラスの人を採用する。そうすると結局、その会社は数年後にはZクラスの社員ばかりになってしまう」

ガイ・カワサキ

もしかして、アニメーション制作会社の制作進行職は上記の引用で言うところのZクラスの社員ばかりなのではないですか?


(ここまでの内容が私の被害妄想だと考えるアニメーション制作会社の採用担当者様がいるなら、この記事のコメント欄で反論して頂いて結構です。)


自分が何の仕事をしているか分かっていない


次は、これまで説明した採用方針が如何に杜撰であるかの話に移りたいと思います。

まず初めに、皆さんも一度は聞いたことがあるのかと思います。

制作進行と言う仕事が激務であり、離職率がかなり高いことを。


なぜでしょうか?

理由は単純です。

制作進行という仕事が何をする仕事なのか新卒社員は知らないからです。

一般的なイメージでは、話数単位で制作を管理する役職だとされていますが、内実はアニメーターさんに自分が担当する話数の仕事を依頼するために電話をかける。依頼を受けてもらったらいつまでに完成してほしいかスケジュールを伝える。仕事の進捗を電話をかけて確認しながら約束の日が来たら依頼したものを回収する。これが制作進行の主な仕事だと言われています。

しかし、毎回依頼したものが依頼した通りに回収できるわけではありません。

アニメーターさんも人間ですからミスをします。

ではその時、そのミスは誰が指摘し、直してもらうのでしょうか?

監督?演出?作画監督?

いいえ。まずは、そのカット(仕事)を依頼した制作進行がチェックをして不備があるのかないのかを確認しなければならない。否、する義務がある。

制作進行職は漫画の編集者であるべきなんです。

漫画家から完成したネームや原稿を受け取り、最初にチェックするのは担当編集の仕事です。

また、不備を見つけたら漫画家へすぐに連絡をとり、共に改善点を模索することも仕事の内です。

間違っても自分が担当している漫画のチェックを自分よりも先にその漫画を掲載する雑誌の編集長や直属の上司に見せる編集者なんていないです。

自分が担当する素材のチェックも立派な制作進行職の仕事です。

また、演出職を志望する者ならば素材のチェックというのは後の仕事に活きる良い経験になります。

しかし、チェックの際、アニメーションや映像の知識が無いとどうなるか?

そのカットに不備があるのかないのか知識がないから分からない。

分からないから、上司に急かされるまま回収してしまう。

その回収されたものを演出が見る。

「おいこの素材、指示した通りになってないぞ!誰が回収したんだ!」


制作進行「・・・・・・私です」

演出「バカ野郎!スケジュールないんだぞ!」

制作進行「すいません」

制作進行の上司「・・・・・・」

となるわけです。

自分の仕事の何が悪かったのか分からないまま怒られ、謝罪し、「自分の監督不行き届きでした」と一緒に謝ってくれるはずの上司には無視される。

これでは、自分がアニメーション制作に携わっている実感なんてあるわけがない。

だから仕事が楽しくない。辛い。辞めたい。


これ。一体、誰が悪いのでしょうか?


ヒントとなるポストがこちら。

(アニメーション監督 平川哲生氏のXより引用)


注目すべきポイントは、「新人がたくさんいるのが制作進行でしょう。」の部分。

本来、制作進行職は演出、プロデューサー、あるいは脚本家等々の役職を目指す者の登竜門的な役職。

故にアニメーション制作の実情の把握のみならず知識や見識など、制作進行職に求められる能力はかなり高いはずなのです。

しかし、それらを知らないまま「アニメが好きだから制作進行になろう」といった気持ちで就職すると、上司からは「早く回収しろ」と急かされ、やっと回収できたと思ったら、素材の不備が発覚して演出に怒鳴られる。という板挟みの地獄が待っているわけです。

にも関わらず未だに大手、中堅関係なく、新卒一括採用として毎年、多くの制作進行の採用をしている。

新卒一括採用のメリットとして、色んな才能を持った人材を複数人採用できる確率が高くなるという意見がありますが、それは、一般企業に限った話であり専門的な知識、技術が求められる職人の世界であるアニメ業界では、
アニメーションや映像に関わる知識、技術以外はなんの役にも立ちません。

それ以外で強いて挙げるとしたら、奴隷労働で酷使されても耐えられる健康な体強い精神力ぐらいではないでしょうか。

ともかく、

アニメーションや映像の知識がない未経験者を単に「奴隷にしやすいから」という理由だけで何でもかんでも採用する制作会社の採用方針そのものが間違いなのです。

決して制作進行だけが悪いわけではないです。

しかし、制作進行職というのがアニメーション制作のヒエラルキー最下位にいるために方々から責任転嫁されるわけです。

むしろ彼ら彼女らは被害者なのに。

で、嫌になって辞めていく。おまけにアニメ自体も嫌いになってしまう。

誰が悪いのかは火を見るよりも明らかなはずです。


新卒は緩いのに中途採用のハードルが高すぎる


また、この現状の言い訳として「教育する余裕がない」という意見を目にしますが、だったら新卒一括採用を辞めにすればいいんです。

履歴書で判断せずに、どのような経歴の人でも能力の有無を図るテストを行って合格すればその人を制作進行職に据えればいい。

(一般社団法人“日本アニメフィルム文化連盟(NAFCA)”が実施する予定の
アニメータースキル検定も私の考える能力の有無を図るテストのアニメーター版だと考えています。)

現在、(特に制作進行職が)人手不足なアニメ業界は、健康な体と強い精神力。そしてアニメへの愛情があれば誰でもウェルカムです。

と広く人材を募っていますが、基本的にアニメーション制作はクリエイティブな仕事なので、才能のない人が働く業界ではないと思っています。

たとえ、制作進行職であっても。

勿論、私にも絵を描く才能はないです

なので、それ以外の部分で活躍できる人材であることをアピールするために映像やアニメーションについて日々、勉強していますし、ポートフォリオも提出しました。

でも、私を雇ってくれないどころか、面接というスタートラインにすら立たせてもらえない。

アニメーション制作について何も知らないのに「新卒だから」という理由だけで採用しているくせに。

それほどまでに、アニメ業界の中途採用に対するハードルは高いというか、捻じれています

中途採用=即戦力=他者で制作進行職の経験有

が各アニメーション制作会社の中途採用の採用方針です。

つまり、独学で勉強した私には何の価値も無いという判断。

あまりにも採用方針が極端過ぎると思います。

「即戦力が欲しい?」

は?」

その言葉は、新人教育に力を入れているのに結果が出ない会社の言うセリフであって、制作進行職に就く新人にまともな教育をせずに使い捨てにしている会社が言うセリフではない。

というか毎年毎年、新卒一括採用で数人或いは十数人を制作進行職で雇っておいてなぜ、毎年中途採用を募集しているんですか?

「おたくの制作進行職の新入社員はどこへ行ったのですか?」

と、各アニメーション制作会社の採用担当者様に伺いたいものですね。


現場が求める人材と実際の採用者とのズレ


内容見れる進行くんになるとこのお仕事だいぶ楽しくなるのでワイちゃんはオススメなのです。 演出的思考と作画的思考を兼ね揃えた制作進行になればスケジュールどこ削るのが一番マトモになるか自ずと理解できるようになるし中身に関していろんな人と深めの話できるので信頼されお得なのでちゃんと勉強するのありなのです

上記のポスト

(メリス・スライム@とあるアニメのお仕事マン氏のXより引用)


上記のポストは、制作進行職の上司にあたる制作デスクの方の意見です。

透視図法消失点(VP)アイレベル(EL)は美術の専門用語になりますが、これらの知識があるだけで「ヤバい上がり」と呼ばれる絵コンテに書かれた演出指示等を無視したL/Oの不備を演出チェックを介さずに指摘できるようになり、結果、演出からどやされる状況を回避できるはずです。

勿論、私が提出したポートフォリオにもそれらのことには触れていますし、実際に読んで頂ければ私が理解していることもご納得頂けるはずです。

ですが、私がここで伝えたいのは、制作進行職志望者への耳寄りな情報発信ではなく、「透視図法等の知識を知らない制作進行がかなりいる」ということです。

わざわざ、Xで発信していらっしゃるのですからこのポストの投稿主の周りや今まで仕事を共にしてきた人たちは知識がない人ばかりだったのでしょう。

この能力でなんで制作進行職として就職できるのでしょうか?


私は透視図法だけでなく、アニメーション演出家を目指す者として最低限必要な知識(無論、制作進行にも必要な知識)をポートフォリオにまとめながら勉強もしました。

そしてそれを形にして、求人募集している制作会社に提出しました。

でも、書類選考で落とされました。

なのに実際、制作進行職として働いている人は透視図法すら知らない。

これらから導き出される答えはただ一つ。

「現場が求めている人材と実際に会社が採用している人材がズレている」

あまり業界批判に該当するような発言はしたくないのですが、

この問題もアニメ業界の闇なのでしょうか?

どうか有識者の方々、この問題の解答とどうして私が書類選考を通過できないのか教えて頂きたい。

よろしくお願いします。


書類選考Q&A


では話を戻して、なぜ私が書類選考を通過できなかったのか?

再度、理由を考えてみる。


Q1.学歴や職歴に不安があるから

A. だったら新卒で入った制作進行だって職歴は無いし、学歴なんてアニメーション制作になんの役にも立たない。であるにも関わらず新卒で採用するということは、実情を知らない人材は都合の良いコマ(奴隷)にしやすいからではないですか?というか何も知らない人間を平気で採用するせいで余計な問題を増やしていますし、その採用方針の割りを食うのは純粋にアニメが好きだった制作進行さん達ですよね。

Q2. 提出書類に不備がある

A. なら「不備があったから落としました」と返信メールに添えて下さい。
教えてもらえなければどの部分が不備なのか分かりません。

Q3. 能力が足りないから

A. 他業種のように有する能力を証明する資格のようなものが存在しない以上、証明のしようがありません。ですので、代わりにポートフォリオを提出しています。それを読んで「能力が足りない」と仰るなら、貴社の制作進行さんはどれほど優秀な方なのでしょう。少なくとも、この記事で紹介したような問題は引き起こさないはずですし、貴社の制作進行職の離職率は0に近い数字でしょうし、半年や一年ではなく、在籍年数も長い方ばかりなのでしょうね。

Q4. 企業が求める人物像とマッチしていない

A. あぁ。演出なんてどうでもいい。映像作家志望なんて必要ないということですね。だったら募集要項に「我々は健康な体と強い精神力を有する人材以外必要としていない」と明記して下さい。求める人物像とマッチしていないだとか、職場のバランスがだとか調和だとか煙に巻いた表現をしないでください。

Q5.すぐに退職するかもしれないから

A. 雇う前から退職することを考えているなら、それは貴社の環境が劣悪だからであって就職する側には関係のない話ですし、こちらが努力すれば変えられるものでもありません。それともよく言う「社会は理不尽な事ばかりなんだからそれに耐えられるようでないと」ってやつですか。私は奴隷になりたくてアニメ業界を志しているわけではないです。都合の良い奴隷が欲しいならロボットでも雇ったらどうですか?私は’人間’です。


アニメーションの演出が必要とされない


見出しの内容に入る前にまずはこの動画を見て頂きたい。


この動画はアニメーションの批評家である宇野常寛氏が運営する会社PlanetsのYoutubeチャンネルに投稿されたものですが、非常に興味深いというか私の就職活動にもろに影響している問題について言及されています。

動画の5分15秒辺りの宇野氏の発言を抜粋します。

アニメ作品を観る時、ストーリーや演出、音楽の「何を描いているのか?」「この快楽はどこから生まれてくるのか」を解釈して味わうという行為は、エネルギーを必要とする行為でそれに対してみんなが褒めている作品或いはその作品を肯定する言説へSNS等を駆使し、RP(リポスト)やいいねを付けて一票入れることは誰でも出来る。にも関わらず、きっちりとした批評や論文を書くことで新しい問いを立て、価値を訴えることよりもSNSで作品へのお気持ちを表明して、似た意見を持つ他社に共感してもらうことの方が手軽でポピュラーな娯楽となっている。

あるジャンルそのものへの愛を叫ぶことが作品の主題になったら、それはその業界が衰退している証拠である【遅いインターネットラジオvol.55】


また現役のアニメーション監督も同じような趣旨の発言をされています。

(Torisima / INTP氏のXより引用)


で、結局ここで何が言いたいのかと言うとアニメーションは慈善事業ではなく儲けが発生する商業なので、「顧客の需要に答えて作品を供給する必要がある」という前提がアニメーションの演出や批評に多大な影響を及ぼしているということです。

具体的に言うと、

『鬼滅の刃』等の近年のハイクオリティ作画作品の大ヒットを受けてアニメオタクだけでなく普段からアニメーションを観ない一般層もアニメを見ることが当たり前となった。

①の影響で演出を批評できるマニア層よりも数の多い「作画」を作品の絶対的な価値基準とする一般層やライトなアニメオタク層がメインストリームになり、アニメーションに対する需要が「作画」に偏ることになる。

②の影響で「作画」に偏った需要に答えるためアニメーション制作は作画作業に最適化された体制になり、ハイクオリティ作画を担保するため絵コンテ・演出をアニメーター出身の演出家が務める。あるいは作画監督が兼務することが増え、制作進行出身の映像理論に精通した所謂「絵が描けない演出家」の出番が減少する。そしてその弊害で映像を読解して楽しむタイプの作品が減少する。

③の影響で映像理論に則った演出の作品が減少し、観客が作画技術以外で作品を評価する機会が物理的に失われる。よって、アニメーションの演出=作画技術が高さという倒錯した考えが蔓延し、作画技術以外の演出がアニメを作る側、見る側双方から軽んじられる。無視される。

④の影響でこれからアニメ業界を目指す演出家志望にアニメーターレベルの絵を描く能力が要求され、映像理論に精通した人材が必要とされなくなる。

と、おおよそこのような流れだと私は考えます。

また、アニメーション制作会社は、宇野氏が言及していたコスパの良い娯楽や推し文化をターゲットにマーケティング、マネタイズすることで、①~⑤の現象。

即ち、作画至上主義がより強固なものとなっているのが現状です。

ここでやっと私の就職活動に関わる話に戻ります。

正にこの作画至上主義こそが「絵が描けない演出家」を志望する私の首を絞めているのです。

おそらく、私が書類選考を通過できない理由の一つに

「演出志望なのに絵が描けない」は必ず挙げられるはずです。

ですが、演出家=絵が描けないといけないは正しいのでしょうか?


実はこんな意見もあるのです。

(アニメーション監督 大野和寿氏のXより引用)

「コンテをきる、ということは、絵を描くことではない」


富野由悠季監督のこの発言の意図するところは、絵コンテというのはあくまでも’映像’の設計図であって’絵’の設計図ではないということだと私は考えます。

しかし、アニメーター出身の演出家は絵が描けてしまうあまり映像への意識が薄れて絵の意識だけで絵コンテを描き上げ、演出を施してしまう。

それによりアニメーション演出の幅を狭めてしまうだけでなく、絵コンテの段階で優秀なアニメーターの上手い絵が描かれてしまうと絵コンテを元に作業するレイアウトや原画作業に従事するアニメーターが自分なりに絵コンテを解釈することでより良いレイアウト、より良い原画を描くという自身が成長する機会が失われるという弊害が生まれる。

結果、絵コンテに描かれた絵を綺麗に清書したりなぞったりする思考停止状態での作業がレイアウトや原画作業の仕事にになってしまうというおよそ
クリエイティブな仕事とは言えない’作業’が常態化されてしまっているのが現在のアニメーション制作なのです。

(二原システムの常態化もその影響だと考えます)

(アニメーター ねこまたや氏のXより引用)


作画至上主義によって成長する機会を失った中堅アニメーターは部下を教育する能力が育たない。

結果、新人教育が不足する。

新人が育たないせいで、作画監督或いは動画検査の仕事も膨大なものになる。

作監、動検に頼り切りの制作体制が常態化し、益々、新人が育たない。

教育不足は何も制作進行職に限った問題ではなく、アニメーション制作全体に関わる問題というわけです。

「作画至上主義」

これ一体誰が得しているのでしょうか?

少なくとも、現場は誰も得してないと思います。


(上記のアニメーション監督宮地昌幸氏による記事は作画至上主義についてより詳しく現場の声も踏まえて書かれています。是非ご一読下さい)


さいごに


ここ数か月の就職活動の成果として、アニメ業界が私の予想よりも遥かに腐敗していることを身を持って感じました。

よって、私はアニメ業界への就職を諦めることにします。

ありがとうございました。







さいごのさいごに言いたいこと




とでも言うと思ったか!むしろ火がついたわ!


ここまで来たら絶対に私は諦めません。

各社の採用担当者を介した就職活動には限界があると考えていますので、
正規の手段で就職できない以上、SNS等を活用したイレギュラーな方法で就職を目指すだけです。

それぐらい私は本気です。

また、本記事を読んで詳しく私のことを知りたいと思われたアニメ業界関係者様並びにアニメーション制作会社の経営者様、役員様がいらっしゃるならば、この記事のコメント欄でもXでも連絡手段はなんでもいいのでコメントを頂きたいです。

喜んで履歴書や職務経歴書、ポートフォリオ等々を送付いたします。

また、この記事をできるだけ多くの方々に読んで頂きたいので、不躾なお願いで恐縮ですがこの記事を読んだフォロワーさん。また偶々この記事を見かけた人達にもSNS等での拡散をお願いしたいです。

どうぞよろしくお願い致します。

























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