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Photo by
takanoyama
ムダな足し算
使い切れずに冷凍していた野菜をすべて、油を少し引いたフライパンで炒めた。ひとつまみの塩を回し入れ、野菜が水分を出すのを助けてあげる。野菜たちは濃い飴色に姿を変えながら香ばしい匂いをキッチンに充満させた。
いつものように香り付け程度に醤油を振りかけて食べようと思ったとき、昨晩買ったばかりの特濃ゴマだれを思い出す。脳内では完璧にマッチしていた野菜炒めとそのゴマだれは、想定を超える勢いで僕の舌をビックリさせた。そして、これほど「食べたくない」と思わせる野菜炒めを作った自分にも驚いた。
どうにか「食べたくない」レベルを下げるためにできることはないかと冷蔵庫を漁ると、納豆パックに付属する未使用のカラシが余っていたので、野菜炒めに入れてみる。さらにレベルを上げる結果となってしまった。
状況が悪いとき、プランや仮説も立てず、闇雲に動いてはダメなんだ。状況を素直に認めて一歩引いてみよう。何か見えるかもしれない。
400字エッセイ書いています。